内定辞退を決めたあとに迷いやすいのが、「メールだけでよいのか」「電話も必要なのか」「件名や理由をどこまで書くのか」という伝え方です。辞退そのものを先延ばしにすると、企業側では入社準備や採用枠の調整が進むため、辞退する意思が固まった時点で早めに連絡することが大切です。
一方で、内定は状況によって労働契約が成立していると評価されることがあります。特に、すでに内定承諾書を提出した後や入社日が迫っている場合は、単に「メールを送れば終わり」と考えず、受け取った書類やこれまでのやり取りを確認し、必要に応じて電話や相談窓口も使って丁寧に進めましょう。
この記事では、内定辞退メールの件名と本文の組み立て、状況別の例文7パターン、メールと電話の使い分け、承諾後・入社直前の注意点、送信後の確認までを一つの流れに整理します。
辞退連絡を作る前に、内定通知を受けた日、返答期限、承諾したかどうか、入社予定日、連絡している担当者名をメモしておくと、文面と連絡手段を決めやすくなります。複数社を同時に受けていると、会社名や担当者名の取り違えが起きやすいため、メール作成前に応募先ごとの情報を分けて確認してください。
また、辞退を決めた後も「理由をどう説明しよう」と考え続けて連絡が遅れるケースがあります。企業にとって重要なのは、辞退の意思が確定しているか、いつ伝えられたか、今後必要な手続きがあるかです。理由を完璧に整えることより、必要な情報を正確に早く届けることを優先しましょう。
内定辞退はメール?電話?状況に合わせて使い分ける

連絡方法は「必ずメール」「必ず電話」と一律に決めるより、企業から指定された連絡手段、辞退までの時間、すでに承諾したかどうかを見て判断すると整理しやすくなります。通常の転職活動で、まだ承諾前かつ入社日まで余裕があるなら、内容を記録として残せるメールは使いやすい方法です。
判断するときは、①企業から指定された連絡方法、②返答期限、③内定承諾の有無、④入社日までの日数、⑤すでに企業が準備している手続きの有無、の5点を並べてください。たとえば返答期限が一週間先で未承諾ならメール中心でも対応しやすい一方、入社日の数日前で承諾済みなら、メールだけではなく電話を組み合わせる必要性が高まります。
| 状況 | 連絡の考え方 |
|---|---|
| 承諾前・期限に余裕あり | メールで辞退の意思を明確に伝える |
| 返答期限が迫っている | 電話で先に伝え、メールでも記録を残す |
| 承諾後 | 書類を確認し、電話+メールで早めに連絡する |
| 入社直前 | できるだけ早く電話し、必要手続きを確認する |
迷ったときは、「相手が今日中に知る必要があるか」を基準にすると判断しやすくなります。今日知る必要があるなら電話を加え、数日単位で余裕があるならメールで明確に伝えます。連絡方法に正解を一つ決めるのではなく、到達の確実さと記録の残しやすさを組み合わせる考え方が実用的です。
承諾前で時間に余裕があるなら、まずメールで伝えやすい
内定通知を受け取ったものの、まだ承諾しておらず、返答期限にも余裕がある場合は、メールで辞退の意思を明確に伝える方法が使いやすいでしょう。担当者が不在でも内容を確認してもらいやすく、伝えた日時と文面が残るためです。
ただし、企業から「返答は電話で」と指定されている場合や、採用担当者から電話で何度も連絡を受けている場合は、その流れに合わせます。メールだけに固執せず、相手が確実に受け取れる方法を優先してください。
メールを送る時間帯も、できれば平日の営業時間内か、担当者が確認しやすい時間を選びます。深夜に送ること自体が直ちに問題になるわけではありませんが、急ぎの辞退を深夜メールだけで済ませるより、翌営業日に電話で到達確認をするほうが確実です。
返答期限が当日・翌日なら、電話を先に入れると確実
返答期限が迫っている、入社手続きが始まっている、採用担当者が書類や機器の準備を進めていることが分かっている場合は、電話を先に入れたほうが早く意思を届けられます。電話がつながったら、長い説明をするより「内定を辞退したいこと」「選考への感謝」「迷惑をかけることへのお詫び」を簡潔に伝えます。
電話後は、認識違いを防ぐために同じ内容をメールでも送っておくと、双方で記録を確認できます。
電話がつながらないときは、何度も短時間でかけ続けるより、留守番電話が使えるなら氏名と連絡目的を簡潔に残し、同時にメールも送ります。メールの冒頭に「先ほどお電話いたしましたが、ご不在でしたのでメールにて失礼いたします」と書けば、連絡を急いだ事情も伝わります。
承諾後・入社直前は、メールだけで完結させない
内定承諾書を提出した後や、入社日直前の辞退は、企業側で労働契約や入社準備が進んでいる可能性があります。厚生労働省は、採用内定の段階で既に労働契約が成立していると認められる場合があり、内定者側の辞退でも事情によっては契約上の問題が生じ得ると説明しています。
この段階では、まず内定通知書・承諾書・雇用契約書・メールを確認し、可能なら電話で早めに事情を伝え、その後にメールで正式な連絡を残しましょう。個別の経緯で判断が難しい場合は、総合労働相談コーナーなどの相談先を利用できます。
とくに注意したいのは、「まだ初出勤していないから契約は何も成立していない」と自己判断することです。内定通知や承諾の経緯によって扱いは変わるため、承諾後は事実関係を時系列で整理します。通知日、承諾日、提出した書類、入社予定日、企業から受け取った案内をメモにすると、相談時にも説明しやすくなります。
確認先:厚生労働省「採用の内定・内々定について、取消や辞退する場合の注意点」
内定辞退メールの基本構成|件名から署名まで

内定辞退メールは、長文で事情を説明するより、相手が「誰からの連絡か」「何の用件か」「辞退する意思は確定しているか」をすぐ理解できる構成が重要です。基本は、件名、宛名、結論、感謝とお詫び、署名の5要素で組み立てます。
件名は「内定辞退のご連絡+氏名」で用件を明確にする
件名を「ご連絡」「ありがとうございました」だけにすると、採用担当者が一覧で見たときに内容を判断しにくくなります。「内定辞退のご連絡/氏名」「内定辞退のご連絡(氏名)」のように、用件と送信者が一目で分かる形にします。
応募先が複数部署に分かれている企業なら、必要に応じて職種名や選考区分を加えます。件名を過度に長くする必要はありません。
返信メールとして辞退する場合は、元の件名を残したまま「Re:」で返しても構いませんが、やり取りが長くなって件名だけでは用件が分かりにくい場合は、新規メールで「内定辞退のご連絡(氏名)」とするほうが見つけやすくなります。採用担当者が複数人CCに入っている場合も、勝手に宛先を増減せず、これまでのやり取りを基準にしてください。
本文は最初の数行で辞退の意思をはっきり伝える
本文は、会社名・部署名・担当者名を書いた後、自分の氏名を名乗り、内定へのお礼を述べます。そのうえで「慎重に検討した結果、今回の内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました」と結論を明確にします。
理由は、求められていなければ「一身上の都合」「慎重に検討した結果」程度でも構いません。別の会社へ行くこと、給与への不満、面接官への評価などを詳しく書く必要はありません。企業から理由を尋ねられた場合も、必要な範囲で落ち着いて答えます。
逆に避けたいのは、「御社より条件の良い会社に決めました」「面接で印象が悪かったため辞退します」といった比較や批判をそのまま書くことです。辞退メールの目的は企業を評価することではなく、意思を明確に伝えて手続きを終えることです。理由の説明より、結論の分かりやすさを優先します。
感謝とお詫びを入れ、最後はフルネームで署名する
辞退メールは謝罪だけで終わらせず、選考や面接に時間を割いてもらったことへの感謝も伝えます。「貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり申し訳ございません」「選考を通じて貴重な機会をいただき、ありがとうございました」といった一文で十分です。
最後に氏名、電話番号、メールアドレスを署名として記載します。転職エージェント経由の場合は、企業へ直接送る前にエージェント側のルールを確認してください。
文章は丁寧でも、曖昧な表現は避けます。「今回は見送るかもしれません」「いったん保留にしたいです」のように、辞退なのか返答延期なのか分からない書き方では、企業側も処理できません。辞退を決めたなら「辞退させていただきたく、ご連絡いたしました」と明確にします。
CCやBCCも見直します。これまで採用担当者と一対一でやり取りしていたのに、辞退メールだけ無関係な担当者を大量にCCへ追加する必要はありません。逆に、採用窓口と転職エージェントの双方に連絡が必要なケースでは、誰へ何を伝えるかを分けます。個人情報や他社情報を本文に残さないことも大切です。
署名は通常のビジネスメールと同じく、氏名、電話番号、メールアドレスを基本にします。現職の会社名や勤務先メールアドレスを署名に入れている場合は、転職活動の連絡として適切かを確認してください。
基本形
件名:内定辞退のご連絡(山田太郎)
株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様
お世話になっております。山田太郎です。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
慎重に検討した結果、誠に勝手ながら今回の内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
選考にお時間をいただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり申し訳ございません。
貴重な機会をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
内定辞退メールの例文7パターン|状況別に調整する

例文はそのままコピーするより、自分の状況に近い型を選び、会社名・担当者名・日付・事実関係を合わせて調整してください。特に承諾後や入社直前は、通常の辞退文より連絡の緊急度が高くなります。
7パターンを使い分けるポイントは、辞退のタイミングと、それまでに企業へ何を伝えたかです。面接後でまだ内定が出ていないなら「選考辞退」、内定通知後なら「内定辞退」、一度承諾した後なら「承諾後の辞退」と、現在地を正しく表現します。電話を先にした場合は、メールで新しい説明を追加するより、電話内容を確認する役割にすると整合性を保ちやすくなります。
例文を調整するときは、敬語を過剰に重ねないこともポイントです。「辞退させていただきたく存じ上げます」のように不自然に丁寧な表現を作るより、「辞退させていただきたく、ご連絡いたしました」と簡潔に書くほうが読みやすくなります。重要なのは文体の豪華さではなく、結論と事実が伝わることです。
また、辞退理由に家庭事情や健康事情など個人的な情報が含まれる場合、必要以上に詳細を書く必要はありません。相手へ伝える範囲と、自分の中で整理しておく情報を分けると、メールが長くなりすぎません。
承諾前までに使いやすい3つの例文
例文1|もっとも基本的な内定辞退
件名:内定辞退のご連絡(山田太郎)
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。慎重に検討した結果、誠に勝手ながら今回の内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。選考を通じて貴重なお時間をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
もっとも汎用的な形です。理由を詳しく求められていない場合は、これ以上説明を増やさなくても意図は伝わります。
例文2|最終面接後に辞退する
件名:選考辞退のご連絡(山田太郎)
先日は最終面接の機会をいただき、ありがとうございました。大変恐縮ですが、その後あらためて今後のキャリアを検討し、今回の選考を辞退させていただきたいと考え、ご連絡いたしました。面接で丁寧にお話しいただいたことに、深く感謝しております。
まだ正式な内定通知前なら「内定辞退」ではなく「選考辞退」と書くほうが実際の進行状況に合います。
例文3|内定通知を受けたが承諾前に辞退する
件名:内定辞退のご連絡(山田太郎)
このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。返答について慎重に検討した結果、誠に勝手ながら内定を辞退させていただきます。ご期待に沿えず申し訳ございません。選考の機会をいただきましたこと、心より御礼申し上げます。
承諾前なら、承諾後ほど長い説明は不要です。返答期限内に、辞退の結論が分かる文面で送ります。
承諾後・電話後・返信時に使う4つの例文
例文4|内定承諾後に辞退する
件名:内定辞退に関するお詫びとご連絡(山田太郎)
先日は内定承諾のご連絡を差し上げましたが、その後の事情により、誠に勝手ながら辞退のお願いを申し上げたくご連絡いたしました。一度承諾した後の申し出となり、多大なご迷惑をおかけすることを深くお詫び申し上げます。まずはお電話でもご説明させていただきたく存じます。
承諾後はメールだけを突然送るのではなく、電話で先に事情を伝えられるなら、そのほうが企業側も確認しやすくなります。書面の扱いや返却物がある場合は、続けて確認します。
例文5|入社日が近い時期に辞退する
件名:入社に関する至急のご連絡(山田太郎)
入社準備を進めていただいている中で大変申し上げにくいのですが、やむを得ない事情により入社を辞退したく、ご連絡いたしました。直前のご連絡となり、誠に申し訳ございません。必要な手続きや返却物がございましたら、速やかに対応いたします。
入社日が迫っているほど、企業側の準備も進んでいる可能性があります。メール送信後に電話し、到達と今後の手続きを確認してください。
例文6|電話で辞退を伝えた後の確認メール
件名:本日の内定辞退のご連絡について(山田太郎)
本日はお電話にてお時間をいただき、ありがとうございました。先ほどお伝えしましたとおり、誠に勝手ながら今回の内定を辞退させていただきます。選考から内定まで丁寧にご対応いただきましたこと、あらためて御礼申し上げます。
電話後のメールは、電話で伝えた内容と同じ結論にします。新しい理由や条件を追加すると、かえって認識がずれやすくなります。
例文7|企業から了承の返信が来たとき
件名:Re: 内定辞退のご連絡
ご返信いただき、ありがとうございます。また、このたびはご理解いただき、重ねて御礼申し上げます。選考を通じて貴重な機会をいただきましたことに、心より感謝しております。貴社の今後ますますのご発展をお祈り申し上げます。
企業側の返信が「承知しました」という確認だけなら、この程度の短い返信で十分です。同じ謝罪を何度も重ねるより、感謝を伝えてやり取りを締めます。
内定承諾後・入社直前に辞退するときの注意点

承諾後や入社直前の辞退は、通常の内定通知直後よりも確認事項が増えます。企業側では雇用契約、社会保険の準備、入社書類、貸与物、研修、配属などが進んでいる可能性があるためです。
最初に、何を承諾・提出したかを確認する
内定通知書、内定承諾書、誓約書、雇用契約書、労働条件通知書、入社手続きの案内メールを順番に確認します。「内定を受ける」と返答しただけなのか、署名済みの書面を提出したのか、入社日や労働条件に合意するやり取りまで進んでいるのかを整理してください。
会社からPC、制服、社員証、入館証、研修資料などを受け取っている場合は、返却先と期限も確認します。健康診断や転居、研修予約など企業側が費用を負担している事項があるときは、自己判断で処分せず担当者の指示を聞きます。
確認メモには「提出済み」「受領済み」「予約済み」「未対応」の4区分を作ると便利です。たとえば、内定承諾書は提出済み、入社書類は未提出、PCは未受領、健康診断は予約済み、というように整理します。どこまで準備が進んでいるかが見えると、担当者へ何を確認すべきかも明確になります。
内定の法的性格は個別事情によって異なります。厚生労働省も、内定段階で労働契約が成立している場合があるとしており、辞退が常に同じ扱いになるわけではありません。不安がある場合は、自分の書類を見せられる専門窓口へ相談したほうが確実です。
伝える順番は「早く知らせる→記録を残す→手続きを確認」
辞退を決めたら、企業が次の対応を取れるよう早く知らせます。急ぎの状況なら採用担当者へ電話し、その後にメールで辞退の意思とお詫びを送ります。会社から貸与物や提出書類を受け取っている場合は、返却方法や破棄方法も確認します。
すでに退職日を決めた、転居契約をした、前職との関係が変わったなど、辞退に関連して別の問題が生じている場合は、それぞれを切り分けて考えます。内定辞退の連絡と、前職の退職手続きや損害の話を一つのメールだけで処理しようとしないことが重要です。
企業から損害や費用について具体的な請求を示された場合は、その場で「支払います」と約束せず、請求の根拠や契約書の該当箇所を確認します。事情が複雑なら、メールや書類を保存したうえで相談窓口を利用してください。
確認先:厚生労働省「採用の内定・内々定について、取消や辞退する場合の注意点」
電話で内定辞退を伝えるときの流れ

電話では、メール以上にその場で話が進むため、事前に話す内容を4点だけメモしておくと落ち着いて伝えられます。「名乗る」「辞退の結論」「感謝」「お詫び」の順で十分です。長い言い訳を準備する必要はありません。
つながったら、担当者を確認してから辞退の結論を伝える
「お世話になっております。〇月〇日に内定のご連絡をいただきました山田太郎と申します。採用ご担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか」と名乗ります。担当者につながったら、「大変申し上げにくいのですが、今回の内定を辞退させていただきたくご連絡しました」と結論を先に伝えます。
担当者が不在なら、受付や別担当者へ辞退の詳細を長く説明するより、折り返しの希望を伝えるか、メールを送っておき、改めて連絡するほうが安全です。
電話は採用担当者が対応しやすい平日の営業時間内を選び、始業直後、昼休み、終業間際など慌ただしい時間はできれば避けます。ただし入社直前など急ぎの場合は、時間帯より早く知らせることを優先してください。
理由を聞かれたら、事実に反しない範囲で簡潔に答える
理由を尋ねられたときは、「今後のキャリアを再検討したため」「諸事情を踏まえて検討した結果」など、事実に反しない範囲で簡潔に説明します。別の会社名や待遇差まで詳しく伝える義務があるとは限りません。
強く引き止められても、辞退の意思が確定しているなら曖昧な返事をせず、「大変ありがたいお話ですが、意思は変わりません」と落ち着いて伝えます。トラブルになりそうな場合は、その場で約束や支払いに同意せず、書面の確認や相談を優先してください。
会話を終える前に、「このあとメールでもお送りします」「返却が必要な書類や貸与物はありますでしょうか」と確認すると、次の行動が明確になります。電話だけで終わらせず、日時と話した相手の名前を自分のメモに残しておくと後から整理しやすくなります。
電話で緊張しやすい場合は、全文を読み上げる台本ではなく、手元に「氏名」「辞退」「感謝」「お詫び」「メール送付」の5語だけを書いておきます。会話の途中で質問を受けても、結論に戻りやすくなります。沈黙を埋めようとして余計な事情を話しすぎないことも重要です。
送信前後のチェックポイント|返信がない場合も慌てない

メールを書き終えたら、内容そのものよりも、宛先や会社名の間違いがないかを最後に確認します。辞退メールは一度送ると取り消せないため、送信前の30秒の見直しが重要です。
送信前は、宛先・件名・会社名・担当者名を優先して確認する
- 送信先アドレスは、実際にやり取りしていた採用担当者のものか。
- 会社名、部署名、担当者名の表記は合っているか。
- 件名だけで「内定辞退」と自分の氏名が分かるか。
- 本文の結論が曖昧になっていないか。
- 別企業の名称や過去メールの文面が残っていないか。
- 電話で伝えた内容とメールの内容が食い違っていないか。
辞退理由を詳しく書きすぎていないかも確認します。相手を否定する表現、感情的な不満、待遇への批判は不要です。簡潔でも、結論・感謝・お詫びがあれば十分に意図は伝わります。
添付ファイルは原則として不要です。企業から辞退届など指定の書類提出を求められた場合だけ、その指示に従います。自分で作った書類を念のため添付すると、かえって確認の手間を増やすことがあります。
送信ボタンを押す直前には、本文を上から読むより、固有名詞だけを逆方向に確認する方法も有効です。署名の氏名、担当者名、会社名、件名、宛先アドレスの順に確認すると、テンプレート流用による取り違えを見つけやすくなります。
返信が来ない場合は、緊急度に応じて確認する
送信直後に返信がないからといって、同じメールを何度も送り直す必要はありません。担当者が会議中、休暇中、社内確認中という可能性もあります。返答期限や入社日まで余裕があるなら、送信履歴を確認して待ちます。
一方、入社日が迫っている、承諾後の辞退で手続きが進んでいる、翌営業日になっても到達確認が取れないなど、企業側の対応を急いでもらう必要がある場合は、電話で「メールを送付したので確認いただきたい」と連絡します。
返信が来たら、企業側が辞退を了承したのか、追加手続きが必要なのかを確認します。「承知しました」のみで追加指示がない場合は、短くお礼を返して終了して構いません。返却物や書類の指示がある場合は、期限をメモして対応します。
辞退を巡って損害賠償や契約上の問題を示され、自分だけでは判断できない場合は、厚生労働省の総合労働相談コーナーを利用できます。同窓口は募集・採用を含む労働問題を対象としており、労働者だけでなく学生や就活生からの相談も受け付けています。
相談するときは、口頭の記憶だけでなく、内定通知書、承諾書、労働条件通知書、メールの送受信履歴、電話した日時のメモをそろえます。「いつ」「誰が」「何を伝えたか」が分かれば、相談員にも経緯を説明しやすくなります。
まとめ:内定辞退では、きれいな文章を書くことより、辞退の意思を早く・明確に・誠実に伝えることが重要です。承諾前ならメールを中心に整理しやすく、期限が迫っている場合や承諾後・入社直前なら電話を組み合わせます。例文は自分の状況に合わせて調整し、送信前に宛先と固有名詞を確認してください。承諾後の扱いなど法的判断が必要な場面は、一般的なマナー記事だけで結論を出さず、書類をそろえて相談するのが安全です。


