転職エージェントには、転職するか決める前に相談だけで利用できるサービスがあります。ただし、すべての窓口が誰にでも同じ支援を行うわけではありません。「何を相談したいか」「いつ頃の転職を考えているか」「今は応募まで進めたいか」を、実際の気持ちに合わせて伝えることが大切です。
「相談したら応募を断れなくなりそう」「まだ職務経歴書が完成していない」「会社に知られずに話を聞けるのか心配」という方に向けて、相談先の選び方、登録前の確認、面談の準備、相談後の保留・終了の伝え方をまとめます。最初に作るのは、転職する約束ではなく、自分が判断するための相談メモです。
この記事の記入例・依頼文・比較方法は、使い方を示すために編集部が作成した例です。特定の利用者の体験談や、紹介・採用・年収アップを保証するものではありません。サービスに関する記述は2026年10月2日の公式案内を確認しています。利用条件は申込時点で再確認してください。
転職エージェントは相談だけでも使える?利用できる範囲を知る

「転職するか迷っている」段階の相談に対応するサービスがある
dodaは、転職を決断していなくても相談だけで利用できると案内しています。JACリクルートメントも、転職するか迷っている場合や今後のキャリアの悩みについて相談できると説明しています。このように、利用前に転職の意思を固めることが必須とは限りません。
一方で、「相談だけで使える」という一般案内と、「自分の希望について今この窓口で支援を受けられるか」は分けて考えます。扱う業界・職種・地域や保有求人はサービスごとに異なります。登録前に対象を確認し、判断できなければ相談目的を添えて問い合わせましょう。
出典:doda「転職エージェントは相談だけでも利用できる?」、JACリクルートメント「転職エージェントは相談だけも可能」
相談・求人提案・応募を別の段階として伝える
「話を聞きたい」と「条件に合う求人を見たい」と「その求人に応募したい」は、それぞれ別の希望です。相談前に、どこまで進めたいかを言葉にしておくと、担当者との認識のずれを減らせます。まだ分からないなら、その状態を伝えれば構いません。
たとえば「今の経験を生かせる職種を知りたい。求人の例は見たいが、応募するかは持ち帰って判断したい」という伝え方ができます。求人を見せてもらうことまで避ける必要も、提案されたものに必ず応募する必要もありません。実際の応募確認の手順は各サービスで確認します。
| 今の希望 | 伝え方の例 | 面談後に残したいもの |
|---|---|---|
| 転職するか迷っている | 現職に残る場合も含めて整理したい | 判断に足りない情報と確認方法 |
| 可能性を知りたい | 経験が近い職種と求人の条件を知りたい | 経験が使える点と不足する点 |
| 応募先を検討したい | 希望に合う求人を見てから応募を決めたい | 候補の比較と応募前の質問 |
無料の範囲と、支援を受けられない場合を確認する
dodaとJACの前掲の案内では、相談を含む転職支援は無料とされています。ただし、これを理由に、別の会社の有料キャリア相談、講座、資格学習まで無料だと考えないでください。サービス名が似ていても、提供者と契約の内容を確認します。
また、無料でも面談や求人紹介が必ず受けられるとは限りません。dodaの注意事項には、経験や希望によって支援が困難な場合があると記載されています。支援を受けられないという連絡は、その窓口の取扱範囲についての回答として受け止め、職業能力や将来の可能性全体の判定と結び付けないようにしましょう。
回答が曖昧なときは、「相談自体が難しいのか、現在紹介できる求人がないのか」「地域や職種を変えると検討対象になるのか」を聞けます。条件を偽って通そうとせず、別の目的に合う相談先を探す方が、その後のやり取りにも無理がありません。
転職時期を早く見せる必要はない
支援を受けたいからといって、予定がないのに「すぐ転職できます」と書くと、短期間の選考を前提に話が進みかねません。半年後なら半年後、未定なら未定と伝え、その理由と今回知りたいことを補足します。「未定」だけより、相談で何を確認したいかが分かる方が話を組み立てやすくなります。
「現時点では入社時期を決めていません。今の仕事で担当領域を広げる選択肢と、同じ経験を生かした転職を比較したいです」という依頼なら、相談の出発点が伝わります。転職したい気持ちが変わったときは、前の申告に合わせ続けず、その都度更新してください。
転職エージェント・公的窓口・有料相談を目的で選ぶ

求人と自分の経験を照らしたいなら、紹介対象を確認する
転職エージェントを検討しやすいのは、実際の求人で求められる経験、応募条件、職種の違いなどを具体的に確かめたいときです。知名度だけで決めず、希望する仕事内容や働く地域を扱っているかを見ます。「販売」といった大きな分類だけでなく、接客、品出し、在庫管理など、実際に担当する業務も伝えましょう。
同じ職種名でも、会社や部署で役割は違います。自分の経験を求人に当てはめた説明がほしいのか、未経験分野へ移る準備を相談したいのかを分けると、窓口に確かめる質問も具体的になります。特定の業界に強いという宣伝だけで、自分の希望に合うと決めないことがポイントです。
サービスの方式から迷っている場合は、転職サイトと転職エージェントの違いで、自分で進める工程と支援がほしい工程を整理できます。
働き方や学び直しの整理には、公的なキャリア相談もある
求人の紹介より先に、今後の働き方、現職での目標、学び直しの方向を整理したい場合には、公的なキャリア相談も選択肢になります。厚生労働省委託のキャリア形成・リスキリング推進事業では、個人向けのキャリア形成や学び直しの相談・支援を無料で提供しています。この窓口では職業紹介は行わず、在職中の人と求職者を対象としています。学生は学内のキャリアセンターや進路指導部などへ相談するよう案内されています。
ハローワークでも、仕事選びに迷う人への自己分析の支援や、地域の労働市場に関する情報提供などを案内しています。具体的な求人探しに進めるか迷っている段階なら、どの窓口が目的に合うか、予約方法・相談時間・利用条件と合わせて確認してください。
出典:キャリア形成・リスキリング推進事業「個人向け支援」、ハローワーク「就職活動の進め方」
| 相談の中心 | 確認する窓口の例 | 利用前の確認点 |
|---|---|---|
| 経験に合う求人や応募可能性 | 転職エージェント | 対象職種・地域、相談のみの利用範囲 |
| 今後の働き方や学び直し | 公的なキャリア相談 | 対象者、相談方法、予約の要否 |
| 仕事探しや地域の求人情報 | ハローワーク | 相談窓口、利用手続き、開催日時 |
| 継続的に時間を確保したい相談 | 有料キャリア相談など | 費用総額、担当者、回数、解約条件 |
有料なら、何に対して料金を払うかを明確にする
有料サービスを比べる場合は、相談時間だけでなく、回数、面談外の連絡、作成する資料、担当者の専門分野を確認します。「自己分析を支援」という説明だけでは、何回の面談で何を行うのかは分かりません。申込前に、料金に含まれる範囲を書面や案内ページで確かめましょう。
単発相談と複数回の契約も区別します。初回の料金だけを見ず、継続した場合の総額、支払時期、途中で利用しなくなった場合の扱い、返金や解約の条件まで確認してください。説明を聞いたその場で契約を決める必要はなく、無料の公的窓口で目的を整理してから比較する方法もあります。
相談を受けること自体と、教材や講座を購入することも別の判断です。必要性が分からない商品を勧められたときは、どの課題に役立つのか、買わない場合にどの支援を受けられるのかを聞きます。
労働トラブルの解決が目的なら専門の相談先へ
未払い賃金、解雇、いじめ・嫌がらせなどの問題について、転職エージェントが解決交渉まで担ってくれると考えないようにします。次の仕事を探す相談と、現在の職場との問題の相談は分けて進められます。厚生労働省の総合労働相談コーナーは、さまざまな労働問題の相談を無料で受ける窓口です。
窓口へ話すために、起きたこと、日時、相手からの説明、自分が確認したい点を整理します。どの制度を使うべきか自分で結論を出してから相談する必要はありません。転職を考えることだけで問題を片付けようとせず、適した窓口を確認しましょう。
相談だけで登録する前に、対象・連絡・情報の扱いを確かめる

対象職種と相談できる範囲を短く問い合わせる
登録前の案内で解決しないことは、状況を簡潔に示して確認します。長い経歴を最初から全部送るより、現在の職種、考えている方向、相談目的を数行にまとめると、確認したい点が伝わります。公開のお問い合わせ欄には、必要性が確認できていない詳細な個人情報や社外秘の資料を入力しないでください。
問い合わせ例:「現在は店舗販売で、接客と在庫管理を担当しています。転職時期は未定で、今の経験を生かせる別の働き方について相談したいと考えています。現段階で求人への応募は希望していませんが、相談のみで利用できますか。対象となる場合、事前に必要な資料と面談方法を教えてください。」
これは架空の例なので、職種や意向は自分の状況に置き換えます。すでに応募したい求人があるなら、その事実も隠さず伝えましょう。「応募しない」と決めていない人が、例文どおりに断定する必要はありません。「求人を確認したうえで判断したい」という書き方も使えます。
電話に出られない時間と、返信できる目安を共有する
勤務中に電話を受けにくいなら、最初に連絡手段と時間帯を相談します。「電話不可」だけでなく、「平日はメール希望、電話が必要な場合は事前に日時を相談したい」と代わりの方法を示すと、連絡が止まることを避けやすくなります。対応できるかは各サービスに確認してください。
返信可能な時間を、自分の生活に合う範囲で決めます。すぐ返せないのに即日返信を約束せず、忙しい週はその旨を伝える方が運用しやすくなります。複数サービスを使う場合も、通知を見る時間を確保できる数にとどめ、登録先の多さを成果の目安にしないようにしましょう。
連絡方法の例:「就業中は電話に出られないため、原則メールでのご連絡を希望します。電話での確認が必要な場合は、候補日時をメールでお知らせいただけますでしょうか。返信は平日夜に確認します。」
会員登録と各サービスへの申込みを分けて読む
同じサイト内に、求人検索、エージェント、スカウト、提携先の紹介など複数の機能がある場合があります。自分がどのサービスへ申し込む画面なのかを見て、追加サービスのチェック欄や情報の公開設定も確認します。名称だけで同じ公開範囲だと思わないことが大切です。
dodaのFAQは、利用するサービスによって、企業やdodaが閲覧・参照する個人情報が異なると説明しています。同FAQでは、担当者が求人確認のために登録情報を参照する場合はある一方、本人の許可なしに勤務先や求人企業へ公開することはないと案内しています。企業へ応募していない段階でも、スカウトなど選択した機能に応じて、同意する公開範囲や情報の扱いを確認します。勤務先や取引先への公開制限が必要なら、利用する機能ごとの設定とその範囲を確認してください。
「匿名表示だから絶対に勤務先へ分からない」「登録しただけなら誰も見られない」と一律に考えるのは避けます。経歴の詳しさや使い方も含めて不安がある場合は、登録前に窓口へ質問しましょう。自分で確認できるのは、どの情報をどこへ入力し、何の目的で使うことに同意するかです。
出典:doda「登録情報は、勤務先や募集をしている企業に閲覧されますか?」
申込み前の確認を、未確認のまま埋めない
候補サービスの確認メモには、公式案内で分かったことと、問い合わせが必要なことを分けて書きます。記載がない事項は未確認と残し、推測で無料・対応可・公開なしと埋めないでください。次の項目から、今回の相談目的に関係するものを確認しましょう。
- 自分の職種・地域・希望する雇用形態は対象か
- 転職時期が未定で、相談のみでも対応しているか
- 料金が発生するサービスや別契約が含まれていないか
- 面談方法、必要書類、連絡方法を確認できたか
- 登録情報の利用先と公開設定が分かるか
- 休止・退会・問い合わせの窓口が分かるか
利用案内や規約を読んで判断に迷う箇所があれば、そのまま申込ボタンを押さずに問い合わせます。運営会社と問い合わせ先が確認できない、意図しない有料契約が表示された、といった場合もいったん立ち止まりましょう。比較は登録を済ませるためではなく、納得して利用先を選ぶために行います。
面談前は「経験・希望・迷い」を1枚の相談メモにする

きれいな自己PRより、事実が分かる材料を用意する
転職エージェントとの相談は、応募先企業の選考面接とは目的が異なります。自分を良く見せる文章を完成させることより、担当した仕事と悩んでいる点を正確に共有できる準備を優先しましょう。提出書類が指定されている場合はその案内に従い、間に合わないときは事前に相談します。
経歴は、会社や部署、期間、担当業務、自分で判断した範囲、工夫したことに分けてメモします。数字で示せる実績があれば、対象期間と自分の役割も付けます。数値が分からないのに作ったり、チーム全体の成果を一人の実績にしたりする必要はありません。
たとえば「販売の仕事を頑張った」ではなく、「店頭での商品説明と在庫確認を担当し、よく受ける質問をスタッフの共有ノートにまとめた」と書くと、具体的な業務について質問してもらいやすくなります。事務・営業・製造などでも、普段繰り返している業務から書き出せます。
応募書類の形にまとめたいときは、職務経歴書の書き方を参照してください。相談前の段階では、書類の完成度を上げるためだけに予定を延ばすのではなく、必要な資料と未完成でも相談できる範囲を窓口へ確認します。
変えたいことを、現状・希望・確認したいことに分ける
「今の職場を離れたい」という気持ちには、仕事内容、時間、待遇、将来の見通しなど複数の論点が混ざることがあります。すべてを一度に解決しようとせず、まず具体的な出来事を一つ書き、その点がどう変わればよいのかを分けてみましょう。
架空の記入例として、「現状:店頭での接客と在庫管理を担当している」「希望:対面の販売に限らず、お客さまへの説明や問い合わせ対応を生かしたい」「確認:経験が近い仕事は何か、電話やメールでの対応にはどんな準備が必要か」と並べられます。不満の評価だけで終わらず、次に調べられる問いまで作るのがこのメモの目的です。
| 欄 | 書くこと | 架空の記入例 |
|---|---|---|
| 経験 | 業務・期間・役割 | 店舗販売。接客と在庫管理を担当 |
| 残したいこと | 今の仕事で続けたい要素 | 顧客の希望を聞き、分かりやすく説明する仕事 |
| 変えたいこと | 具体的に見直したい点 | 店頭販売に限らず、問い合わせ対応も検討したい |
| 迷い | まだ判断できない点 | 対面での接客経験を、電話やメール対応に生かせるか |
| 相談したい問い | 相手に確認すること | 接客経験が近い職種と、応募前に補いたい経験 |
希望条件は「必須・比較できる・まだ不明」に分ける
希望は多く書いても構いませんが、全部を同じ重さにすると、求人を見ても判断が難しくなります。「勤務地は変えられない」「業務内容は近い職種まで広げられる」「在宅勤務の実施頻度はまだ分からない」のように、扱いを分けます。不明な条件を、いつの間にか譲れる条件にしないでください。
年収を考える場合も、希望額だけでなく、何を含む金額かをそろえます。現在の年収と、求人に記載されたモデル年収や幅のある年収帯は、そのまま同じ意味ではありません。相談時には、基本給・手当・賞与・残業代などの内訳を確かめたいと伝えます。税引後の手取りも別なので、表示だけで生活への影響を決めないようにしましょう。
通勤時間、転勤、勤務時間などは、応募前の判断に関わる条件を先に置きます。「できれば」を「絶対条件」と誤って伝えていたと気づいたら修正できます。担当者の提案に合わせて無理に希望を下げるのではなく、どの条件なら比較できるかを自分で考えて説明してください。
相談メモのテンプレートと、準備が進まないときの最小版
次の項目をコピーし、自分の状況に合う部分だけ書きます。社外秘の数値、顧客の個人情報、会社の資料をそのまま貼り付ける必要はありません。相談に必要な粒度へ言い換え、持ち出しや共有が許される情報だけにしてください。
- 相談の目的:今回の面談で何を確認したいか
- 現在の状況:在職・離職、主な仕事、転職時期の考え
- 経験:業務、期間、役割、説明できる工夫や成果
- 残したいこと:今の仕事で続けたい要素
- 変えたいこと:具体的な出来事と希望
- 条件:必須、比較できる、まだ不明なもの
- 今日の質問:優先順に3つ程度
- 進めたい範囲:相談のみ、求人の確認まで、応募も検討など
- 連絡方法:希望する手段と確認できる時間帯
全部埋めようとして止まる場合は、「今何をしているか」「どこで迷っているか」「今日一つだけ聞くなら何か」の3行から始めます。質問が一つでも、相談してから追加すれば構いません。準備の時間を細かく決めるより、面談中に見返せる場所へ残すことを優先しましょう。
面談当日は、質問・確認・持ち帰る判断を分ける

冒頭で「今日は何を決めたいか」を合わせる
最初に、相談の目的と転職時期の考えを短く伝えます。「登録画面に書いたから伝わっているはず」と任せず、今日の希望をもう一度言葉にすると確認できます。相談時間が決まっている場合は、特に聞きたいことを先に示すと、話が広がりすぎるのを避けやすくなります。
冒頭の例:「転職するかはまだ決めていません。今日は、今の経験を生かせる仕事と、現職に残る場合との比較材料を知りたいです。求人は参考に見たいですが、応募は内容を確認してから判断したいと考えています。」
相手が想定する面談の流れも聞いておきます。経歴確認に時間を使う場合は、最後に質問できる時間があるかを確認してください。すべての話題に結論を出すより、今回答えを得たいものと、次回までに調べるものを分ける方が整理しやすくなります。
「向いている仕事は?」を、根拠が分かる質問にする
広い質問から話を始めても構いませんが、回答を受けた後は、なぜそう考えるのかを尋ねます。「向いている」と言われた理由が、業務経験なのか、求人の応募条件なのか、担当者の印象なのかで、判断の材料としての使い方が違うためです。
| 知りたいこと | 質問例 | 聞き返すポイント |
|---|---|---|
| 経験が使える職種 | 私のどの業務経験が、その職種で役立ちそうですか | 具体的な担当業務と応募条件 |
| 足りない経験 | 応募を検討する前に補う点は何ですか | 必須条件か、あると望ましい条件か |
| 年収の見方 | 案内された金額は、どの条件を前提にしていますか | 求人の範囲か、個別提示の見込みか |
| 転職の時期 | 今動く場合と準備してから動く場合の違いは何ですか | 求人の期限と自分の準備を分ける |
| 求人がない場合 | どの条件が合いにくく、今できる確認は何ですか | 対象外の範囲と別の探し方 |
答えが抽象的なら、「その仕事では、一日の中でどの業務が中心になる想定ですか」「応募条件のどこを満たし、どこが未確認ですか」と具体化します。未経験分野では、職種名のイメージだけで判断せず、入社後に何を担当するかまで確かめたいと伝えましょう。
市場価値を一つの数字で決めず、回答の前提を残す
「自分には価値があるか」という問いに、年収の数字だけで答えを出さないようにします。相談で知りたいのは、どの求人の、どの条件に対して、今の経験がどう評価されそうかです。相手が扱っている求人の範囲で得られる情報と、労働市場全体の話も分けて受け取ります。
メモには、「担当者の見解」「求人票に書いてある事実」「企業への確認待ち」を分けて残します。たとえば「在宅勤務ができそう」と聞いた場合、求人票に頻度が明記されているのか、担当者が確認する予定なのかで次の行動が変わります。未確認の情報を自分に確約された条件として扱わないことが重要です。
回答が期待より厳しくても、すぐに希望を全撤回する必要はありません。「経験が足りない」という話なら、どの経験が、どの募集で、どの程度必要かを確認します。一方で、具体的な必須条件を満たしていない場合には、その事実を踏まえて応募先や準備を考えます。
求人を勧められたら、応募の前に比較する
気になる求人が出てきても、その場で必ず応募を決める必要はありません。仕事内容、応募条件、勤務地、勤務時間、給与の内訳を見て、自分の必須条件と照らします。情報が足りない箇所は、未確認として質問を残しましょう。詳しい読み方は求人票の確認ポイントで整理しています。
持ち帰るときの例:「ご紹介ありがとうございます。仕事内容と勤務条件を比較してから判断したいので、本日は応募せずに持ち帰ります。募集の締切と、先に確認しておいた方がよい点を教えてください。回答できる目安は確認後にご連絡します。」
期限があるなら、何の期限かも聞きます。求人の応募締切なのか、面接日程の回答期限なのか、担当者への連絡目安なのかを区別してください。自分が守れる返答日を相談し、難しいと分かったら早めに伝えます。焦りを避けることと、相手からの連絡を放置しないことは両立できます。
オンラインでも、資料と会話の環境を整える
面談前に、指定されたツールが使えるか、音声が届くか、案内の時刻と接続方法が合っているかを確認します。会社の端末や共有の会議室を無断で使わず、会話を周囲に聞かれにくい場所を選びます。表示名や画面共有の対象も、開始前に確認しておきましょう。
資料を見せるときは、共有したいファイルだけを開き、勤務先のメールや別の個人情報が映り込まないようにします。録音や文字起こしツールを使いたい場合は、相手の同意とサービスのルールを先に確認してください。議事メモで十分なら、結論と次の行動を自分で簡潔に残す方法も使えます。
相談後は「続ける・保留・終了」を選び、必要な連絡をする

その日のうちに、分かったことと未確認を分ける
面談が終わったら、転職するかという大きな結論を急ぐより、相談前の質問に何が分かったかを照らし合わせます。面談の雰囲気がよかった、求人が多かったという印象だけでなく、自分の判断に使える具体的な材料が増えたかを見てください。
記録は「分かったこと」「まだ分からないこと」「次にすること」の3欄で十分です。次の行動には、誰が何をするのか、いつ頃確認するのかを添えます。担当者が企業へ質問する場合と、自分が職務経歴書を直す場合を分けておくと、待つだけで時間が過ぎることを防げます。
| 相談後の状態 | 選べる行動 | 伝える内容 |
|---|---|---|
| 候補を具体的に比較したい | 支援を続ける | 紹介してほしい条件、次回の確認事項 |
| 現職で確かめたいことがある | いったん保留する | 今は応募しないこと、連絡の希望 |
| 今回は転職活動を進めない | 利用終了や退会を確認する | 紹介停止の希望、必要な手続き |
| 進め方が合わない | 要望を伝えるか、別の窓口を検討する | 困っている点と希望する対応 |
相談だけで終了したいときの連絡例
転職しないと決めた場合は、必要以上に長く理由を説明せず、お礼と現在の意向を伝えます。担当者に悪いからという理由だけで応募を続けるより、今は進めないことを明確にした方がやり取りを整理できます。以下は、企業への応募や選考にまだ進んでいない場合の例です。
件名:転職相談のお礼と今後の利用について
「ご担当者様
先日はご相談の時間をいただき、ありがとうございました。お話を踏まえて検討した結果、現時点では転職活動を進めず、現職で経験を積むことにしました。求人紹介と面談案内の停止を希望します。利用終了に必要な手続きがありましたら、お知らせいただけますでしょうか。ご対応いただき、ありがとうございました。」
現職で経験を積むという理由が自分に当てはまらなければ、「今後の働き方を再検討することにしました」など、事実の範囲で書き換えます。退会したいのか、紹介を止めたいだけなのかも明確にしてください。メールを送るだけで退会が完了するとは限らないため、公式の手続きを確認します。
保留したいときは、再開時期を無理に約束しない
転職しないと決めたわけではないけれど、今は動けない場合もあります。そのときは、保留する理由を必要な範囲で伝え、求人紹介を続けてほしいのか、いったん止めたいのかを分けて示します。時期が分からないのに「来月再開します」と書く必要はありません。
保留の例:「相談した内容を踏まえ、まず現職での担当業務について確認したいため、応募の検討をいったん保留します。再開時期はまだ決めていません。求人紹介は当面停止を希望し、再開したい際はこちらから連絡します。手続きが必要な場合は教えてください。」
再開時期が決まっているなら目安を伝えられますが、支援の継続期間や再開の方法はサービスによって異なります。登録情報を残すのか、退会後に改めて申し込むのかは、公式案内で確認してください。通知メールの停止、紹介の休止、アカウントの退会、個人情報に関する請求を同じ手続きと思わないようにします。
担当者と合わないときは、困っている行動を具体的に伝える
「相性が悪い」と感じたら、何が負担になっているのかを一度分けます。希望外の職種の紹介が続く、電話の時間が合わない、質問への答えが不足しているなど、具体的な点が分かれば、要望を伝えて改善できるか確認できます。
要望の例:「店舗販売での経験を生かし、電話やメールでの顧客対応も検討したいと伝えましたが、店頭販売の求人が続いているため、希望を再確認したいです。対応可能な範囲を教えていただけますでしょうか。もし別の担当者の方が適している場合は、変更についても相談したいです。」
担当変更の可否や手順はサービスへ確認し、必ず変更できるとは考えないでください。dodaでは、会員専用ページの「登録情報設定」から、理由を添えてキャリアアドバイザーの変更を申請できます。ただし、希望に対応できない場合もあると案内されています。求人ごとに担当する「採用プロジェクト担当」は変更できないため、どちらの担当者への要望かも確かめましょう。
出典:doda「担当のキャリアアドバイザーを変更できますか?」
応募後に辞退したい場合は、相談終了と分けて連絡する
すでに応募や選考へ進んでいる場合は、前の終了例文だけで済ませず、企業名・求人名・選考の状態・予定されている日程を担当者へ伝えて辞退の扱いを確認します。アカウントを退会したら面接も自動的に取り消される、とは考えないでください。
別の窓口や直接応募も使っているなら、どの経路で進めた求人かを照合します。同じ企業名でも別の求人があるため、求人番号や職種も確認すると行き違いを減らせます。内定後の辞退については、内定辞退のメールと連絡方法で、選考前の相談終了との違いを確認できます。
最初の一歩は、申し込む前に相談したいことを3行にする
転職エージェントを相談だけで利用したいときは、「今の仕事」「迷っている点」「今回知りたいこと」を3行にまとめます。そのうえで、自分の職種や地域が対象か、相談のみでも対応するか、連絡と情報の扱いはどうなっているかを確認しましょう。
求人を見ながら考えたいなら紹介支援のある窓口、働き方を整理したいなら公的なキャリア相談など、目的から選べます。相談の結果、応募する、現職で確かめる、いったん保留する、いずれも自分で選ぶ次の行動です。サービスに登録したことを理由に、必要な確認を飛ばさないようにしてください。


