納品書の書き方|必須確認項目・記入例・請求書との違い

納品書の内容を確認し送付と保存の準備をする個人事業主 副業

納品書は、何を、いつ、誰に、どれだけ納めたかを取引先と確認するための書類です。最初に宛名、納品日、商品や業務の明細、数量、必要な金額、発行者を整理し、見積書・発注書・請求書と同じ取引を追えるように作ります。

納品書と請求書は役割が違います。また、納品書を送ったことだけで、検収の完了や代金の支払いまで証明できるとは限りません。物品を渡した記録、成果物を提出した記録、相手の確認結果、請求の記録を分けて扱うと、後の行き違いを減らせます。

この記事は、物販や制作業務を行う個人事業主・小規模事業者向けの実務ガイドです。記入例はすべて架空で、業種共通の法定様式を示すものではありません。税務上の扱いは2026年10月5日確認の国税庁資料を参照し、個別の契約・保存義務については税理士等へ確認してください。

  • 取引先の指定書式と、納品日・提出先の扱いを先に確認する
  • 発注された数量と、今回実際に納める数量を区別する
  • 請求書や検収記録に結び付く番号を付ける
  • インボイスとして使うかどうかは、登録状況と記載事項で判断する
  1. 納品書の役割と取引前に確認すること
    1. 納品書で伝える内容を明確にする
    2. 見積書・請求書・領収書との違い
    3. 取引先の書式と提出経路を確認する
    4. 納品日と発行日の考え方を先にそろえる
    5. 納品書を作る前の資料を集める
  2. 納品書に書く項目と間違えやすい日付
    1. 宛名と発行者を取引の正式名称で書く
    2. 管理番号は関連書類をたどれる形にする
    3. 品名・数量・単位を具体的にそろえる
    4. 金額を載せる場合は税の表示を一致させる
    5. 備考欄には今回の確認に必要なことを書く
  3. 物販と制作業務の納品書を具体例で作る
    1. 物販の例は品番と数量から作る
    2. 分納では発注数・今回数・残数を分ける
    3. デザイン制作は成果物の一覧と結び付ける
    4. 修正版の提出と追加納品を区別する
    5. 発行前に第三者の目線で読み直す
  4. 請求書・検収・インボイスとの関係を整理する
    1. 納品と検収は別の状態として管理する
    2. 請求書と明細の対応を保つ
    3. 納品書がインボイスになる場合を理解する
    4. 複数の書類で必要事項を満たす場合
    5. 必要な書類の役割を取引前に共有する
  5. 送付・訂正・保存まで納品記録をつなげる
    1. 送付先と添付ファイルを最後に照合する
    2. 間違いがあれば訂正内容を明示する
    3. 電子でやり取りした書類は電子保存を確認する
    4. 保存期間を一律に決めつけない
    5. 毎回の発行をチェックリストにする

納品書の役割と取引前に確認すること

取引前に納品内容と書類の役割を相談する二人

納品書で伝える内容を明確にする

納品書の中心は、納めた内容を相手が確認できることです。商品名だけでは種類を特定できないなら、品番、色、サイズなども記載します。制作業務なら「デザイン一式」だけで終わらせず、対象の制作物、点数、データ形式などを必要に応じて示します。

書類を受け取る人が、実物やファイルと照合できるかを基準に考えてください。発注担当者が内容を理解していても、倉庫や経理の担当者はその案件を詳しく知らない場合があります。口頭の説明がなくても取引を特定できる形が望ましいでしょう。

一方、納品書へすべての経緯を詰め込む必要はありません。契約条件、長い修正履歴、制作途中の資料などは別に整理し、必要な番号や参照先で結び付けます。納品内容を確認するという目的が埋もれないよう、書類の役割を絞ります。

見積書・請求書・領収書との違い

見積書は条件や金額の提案、発注書は注文の内容、納品書は納めた内容、請求書は代金の請求、領収書は代金を受け取ったことの確認というように、実務上の役割が異なります。名称を似せても、記録する出来事が同じになるわけではありません。

たとえば商品を納めた日に納品書を発行し、月末に複数回の納品をまとめて請求する場合があります。納品書に金額が書かれていても、それが今回振り込んでもらう請求額か、後日請求する参考額かを明確にすると、二重の支払いを防ぎやすくなります。

書類を兼用する場合は、目的と必要な記載事項が満たされるかを確認します。単にタイトルを「納品書兼請求書」に変えれば、すべての取引で十分になるとは限りません。相手の処理手順と税務上の用途を確認したうえで選びましょう。

取引先の書式と提出経路を確認する

作成前に、取引先に指定書式があるか確認します。独自の納品書番号、発注番号、部署コード、検収用の欄が必要な会社もあります。見た目が整った書類でも、相手の受付に必要な情報が欠けると再提出になり、請求処理が遅れることがあります。

提出先も確認してください。商品に同封するのか、発注担当者へメールするのか、指定のシステムへ登録するのかで準備が変わります。現場へ届ける書類と経理へ送る書類が別の場合には、どちらへ何を渡したかを記録します。

相手から「いつもの書式で」と言われても、初回は見本を一度確認してもらうと安心です。毎月発行する取引では、初回に項目と提出方法をそろえておくことで、翌月以降の修正を減らせます。後から担当者が変わっても、合意した手順を引き継ぎやすくなります。

納品日と発行日の考え方を先にそろえる

納品日と書類を作った日が一致するとは限りません。物品なら出荷日と相手へ届ける日が異なり、制作業務ならデータを送信した日と確認を受けた日が異なる場合があります。取引上どの日を納品日として記録するかを、契約や相手の運用と合わせておきます。

日付を合わせるために、実際と異なる日を記録しないようにします。納品日と発行日を分けて記載できる書式なら、それぞれの意味が分かる名称を付けます。月末の出荷や翌月の到着など、締め処理に関係する注文では特に確認が必要です。

案件ごとに扱いが変わる場合は、管理表へ根拠を残します。「相手の希望だから」というメモだけでなく、発注書の記載や確認メールと結び付けてください。日付の整理は、売上の計上時期を自己判断で決めることとは別です。税務上の時期は個別に確認します。

納品書を作る前の資料を集める

書類作成を始める前に、見積書、発注内容、変更の合意、今回納める物やデータの一覧を用意します。過去の納品書をコピーして金額だけ変えると、古い数量、宛名、品番が残りやすくなります。元になる情報を先にそろえるほうが、後から直す手間を減らせます。

※表は横にスクロールできます。

参照する資料確認する項目納品書への反映
発注書・注文記録案件名、品番、数量対象取引と明細を特定する
変更の合意記録追加・削除・仕様変更最終決定の内容を使う
出荷・提出一覧今回納める数量やファイル今回分と残りを分ける
取引先の運用案内提出先、書式、番号受付に必要な欄をそろえる
請求の条件締日、別途請求の有無請求書との対応を明確にする

入力を始めるときは、発注時点の内容と今回の納品内容を別々に確認します。途中で変更があった場合、見積書だけを正とすることも、最後に届いた短いメッセージだけを正とすることも避け、合意済みの範囲を一つに整理しましょう。

納品書に書く項目と間違えやすい日付

納品書に書く項目や日付を確認する手元

宛名と発行者を取引の正式名称で書く

宛名は、商品を受け取る場所の名前だけでなく、取引の相手を特定できる名称を使います。会社名、部署、担当者名のどこまで必要かは相手へ確認します。会社宛ての「御中」と個人名への「様」は、同じ宛名の末尾へ重ねずに使い分けると読みやすくなります。

発行者は屋号だけで相手が特定できるかを確認し、必要に応じて氏名や連絡先を併記します。納品内容について問い合わせを受けられる情報を載せますが、業務上不要な個人情報まで記載する必要はありません。取引先の指定と、自分が公開してよい連絡先を整理します。

送付先と請求先が違う場合は、欄を分けて明示します。店舗に商品を届け、本社が支払う取引などでは、受領先だけを宛名にすると経理で照合しにくいことがあります。どちらを納品書の宛先とするか、作成前に確認してください。

管理番号は関連書類をたどれる形にする

納品書番号は、自分と相手が同じ取引を特定するために役立ちます。年月と連番など、重複しにくく続けやすい方式を決めます。番号の形式そのものを複雑にするより、発行後に一覧から検索できることを優先しましょう。

相手の発注番号と自分の納品書番号は別の役割です。どちらか一つへ無理に統一せず、必要なら両方を記載します。請求書を作るときに対象の納品書番号を参照すれば、複数回の納品をまとめた場合も明細を追いやすくなります。

訂正や再発行をする場合は、元の番号との関係を残します。新しい番号だけを付け直すと、別の納品が増えたと受け取られるおそれがあります。取引先のルールへ合わせながら、訂正版の識別と旧版の扱いを説明できる状態にします。

品名・数量・単位を具体的にそろえる

明細は、実物と照合できる粒度で書きます。「雑貨」「制作費」だけでは、何を確認すればよいか分かりません。品番、商品名、仕様、数量、単位を並べると、受け取る側が順番に確認できます。同じ商品で色が違う場合も、区別できる行にします。

数量の単位は「個」「枚」「本」「セット」など、発注時と一致させます。五個入りの商品を三セット納める場合、数量3だけでは合計十五個なのか三個なのか分かりません。品名に一セットの内容を記すか、備考で明確にしてください。

制作業務で「一式」を使う場合も、その内訳を別行や添付一覧で補います。ロゴのデータ一式なら、用途別データやファイル形式、バリエーション数が確認できるようにします。一式という言葉に未合意の作業まで含まれるような曖昧さを残さないことが大切です。

金額を載せる場合は税の表示を一致させる

納品書に金額を記載する場合は、単価、数量、金額、小計、税の扱い、合計の関係を確認します。税込単価と税抜単価を混ぜたり、税込合計へ消費税をもう一度加えたりすると、後の請求書との間に差が生じます。見積書や合意した価格条件を参照しましょう。

金額欄のあるテンプレートを使う場合でも、その書類を税務上どの目的で用いるかは別に判断します。通常の納品記録として使うのか、適格請求書の記載事項を満たす書類として使うのかで、確認する事項が異なります。登録番号を形式的に埋めれば済むものではありません。

ギフトなどで金額を見せたくない場合は、受領先へ渡す書類と購入者へ渡す書類の役割を分けます。相手が金額なしの納品書を希望するときは、照合に必要な数量や品名を残し、請求に必要な情報を別途渡す手順を確認してください。

備考欄には今回の確認に必要なことを書く

備考欄は、分納、残数、ファイルの保存先、別途請求であることなど、今回の納品を理解するための補足に使います。重要な数量や金額を備考だけへ置かず、明細の主要欄で確認できるようにしてください。備考がなくても基本の内容を読める構成にします。

たとえば「発注数20個のうち今回12個を納品、残り8個は別途納品予定」と書けば、今回分と未納分を区別できます。ただし、残りの予定日が未確定なら、確定した日付のように記載しないことが大切です。予定と実績を明確に分けます。

長い契約条件を備考へ小さく詰め込んでも、相手の合意を得たことにはなりません。追加費用、権利の移転、免責などの重要事項は、納品時に突然書き足すのではなく、事前の契約や変更合意で整理します。納品書は、その合意に沿った記録として作りましょう。

物販と制作業務の納品書を具体例で作る

物販と制作業務の納品内容を記録する事業主

物販の例は品番と数量から作る

ここでは架空の雑貨店へ、布ポーチとポストカードを納める例を考えます。相手からの発注番号を確認し、今回の納品に含まれる商品だけを明細へ入力します。発注されたものの未完成の商品は、今回の納品数量へ入れません。

仮に布ポーチの税抜単価が1,200円で五個、ポストカードの税抜単価が200円で十枚なら、明細金額は6,000円と2,000円です。どちらも標準税率10%の課税取引と仮定すると、税抜小計8,000円、消費税額800円、税込合計8,800円という例になります。

これは計算と項目の関係を示す見本です。実際の販売価格、税区分、端数処理は自分の取引と運用へ合わせます。インボイスとして使用する場合は、後述する必要事項も確認してください。この簡略表だけで適格請求書が完成するわけではありません。

※表は横にスクロールできます。

品番・商品名数量税抜単価税抜金額
P-01 布ポーチ・青5個1,200円6,000円
C-02 ポストカード・花柄10枚200円2,000円
小計――8,000円
消費税額・10%対象――800円
税込合計――8,800円

明細を入力した後は、箱へ入れる現物を一行ずつ照合します。表の計算が正しくても、色違いや数量違いがあれば納品記録として不十分です。箱を閉じる前に確認済みの印を付け、送り状と納品書が同じ取引先のものかを最後に確かめます。

この例を自分の書類へ移す場合は、表の上部に宛名、発注番号、納品書番号、納品日、発行日を置き、下部に発行者を載せます。表だけを切り出して送ると、どの取引の記録か分からなくなります。見本の金額を使い回さず、発注内容を元に各欄を入力し直してください。

分納では発注数・今回数・残数を分ける

一度にすべてを納めない場合は、分納であることを明確にします。発注数、今回納品数、前回までの納品数、残数を区別できれば、双方が未納分を追いやすくなります。同じ商品を複数回送る取引では、納品書番号も各回で管理します。

例として発注二十個、前回八個、今回七個なら、残りは五個です。今回の納品書へ二十個とだけ書くと、全部を納めたと誤解されるおそれがあります。今回の数量欄は七個とし、必要に応じて備考や別表で全体の進捗を示します。

残数の納品予定が変わった場合は、納品書だけで黙って更新するのでなく、取引先へ別途連絡して合意します。請求を各回で行うか、全数納品後にまとめるかも事前に決めておきます。納品の分け方と請求の分け方が同じとは限らないためです。

分納の記録には、商品の不足だけでなく、発送先が複数ある場合も含めて考えます。本店へ十個、支店へ十個という注文なら、各店舗が受け取る内容と本社が照合する全体数量の両方が分かるようにします。送付先の違いで重複請求が起きない仕組みを作りましょう。

デザイン制作は成果物の一覧と結び付ける

制作業務では、物品の数量に代えて、提出した成果物を具体的に示します。たとえば「イベント告知バナー三点」とし、サイズや用途ごとの内訳を一覧にします。納品書だけでファイルの内容まで確認しづらい場合は、ファイル名と版番号を付けた納品一覧を添付します。

例として、横長バナー一点、正方形バナー一点、縦長バナー一点をPNGで納品する契約なら、その三点が分かる名称にします。編集可能な元データを納める契約か、書き出しデータだけかも重要です。契約に含まれていない元データを、納品書の「一式」で意図せず含めないようにします。

提出日は、実際に指定の経路へデータを渡した日を記録し、検収予定や修正確認は別に管理します。ファイルを送ったことと、相手が内容を承認したことを同じ欄へまとめないほうが、状況を正確に追えます。

成果物の渡し方はデザインデータの納品ガイドで詳しく整理しています。納品書には確認に必要な要約、添付一覧には各ファイルの詳細と役割を載せると、両方の書類が読みやすくなります。

修正版の提出と追加納品を区別する

初回の提出後に修正したデータを渡す場合、同じ成果物の修正版なのか、追加で作った別成果物なのかを区別します。毎回新しい数量を計上すると、相手には納品点数が増えたように見えることがあります。案件と版の関係を明示してください。

「バナー三点、初回提出版の差替え」といった説明を添えると、前のファイルとの関係が分かります。追加制作なら、追加発注の番号や合意内容を参照します。修正が有料か無料かは、納品書を書く段階で独断で決めるのではなく、契約と変更の合意に基づきます。

相手へは、どの版を使うべきか、旧版を参照しないでほしいかを分かりやすく伝えます。ファイル名がすべて「最終」だと後から混乱するため、日付や版番号を含めて管理します。書類番号とファイルの版番号は、用途が異なることも意識しましょう。

誤字訂正と新しい企画案の追加など、性質が違う作業が混ざる場合には、提出一覧の行を分けると確認しやすくなります。納品したという事実の記録を明確にしながら、請求対象になるかどうかは請求明細側で合意に沿って整理します。

発行前に第三者の目線で読み直す

書類ができたら、作成した順番と逆に確認してみます。合計額から小計・税額、明細金額から数量と単価へ戻ると、転記ミスを見つけやすくなります。最後に宛名、発行者、番号、日付を確認し、別の取引先の情報が残っていないかを見ます。

PDFにする場合は、変換後のファイルを開いて確認してください。編集画面では見えていた文字が欠けたり、表がページの途中で不自然に切れたりすることがあります。スマートフォンでも品名と金額が読めるかを見ると、相手への配慮につながります。

印刷して同封する場合は、用紙サイズ、向き、余白を確認します。画面の縮小表示では気付きにくい細字や、ページ番号の欠落にも注意してください。枚数が増える場合は、何枚中の何枚目かを付け、途中のページだけで別取引と誤認されないようにします。

最終確認の担当者と日付を自分の管理記録へ残すと、後で問い合わせがあったときに対応しやすくなります。小規模事業で一人が作成と確認を兼ねる場合も、入力直後ではなく少し工程を分けて読み直すと、思い込みを減らせます。

請求書・検収・インボイスとの関係を整理する

納品書と請求書や検収の関係を整理する書類一式

納品と検収は別の状態として管理する

納品は物品や成果物を渡すこと、検収は合意した内容に合っているかを確認する工程として区別します。納品書を発行しただけで、相手が品質や仕様を承認したと判断しないようにしましょう。検収がある取引では、確認項目と完了予定を契約や発注時に整理します。

管理表では「提出済み」「確認中」「修正対応中」「検収完了」といった状態を分けると、次に何をするべきか分かります。相手から返信がない場合に、自動的に検収完了と扱えるかは契約等によるため、自己判断で決めないでください。

詳しい整理は業務委託の検収と納品の違いを参照してください。納品書の記録は、検収について話し合う際の資料になりますが、それだけであらゆる紛争を解決できるものではありません。

請求書と明細の対応を保つ

月末にまとめて請求する場合、請求書には対象期間と納品書番号が分かる情報を記載します。複数回の納品を合算していても、どの取引が含まれるかを相手が追えれば、金額差が生じた際の確認が容易になります。納品書の控えも請求書と結び付けて保管します。

訂正した納品書がある場合、請求書へ古い金額や数量を転記しないようにします。返品や数量変更があったなら、元の納品記録を消して辻褄を合わせるのではなく、変更の記録を残したうえで請求へ反映します。

納品書兼請求書を使う取引では、支払期日や請求先などの情報も必要になることがあります。相手が納品確認のために受け取っただけなのに、請求を受けたことになっている、といった誤解を防ぐため、書類の用途を明示して送りましょう。

納品書がインボイスになる場合を理解する

国税庁は、適格請求書の必要事項を満たす書類であれば、請求書・納品書・領収書など名称を問わないと説明しています。つまり納品書というタイトルでも、条件を満たせばインボイスとして使うことがあります。反対に「インボイス」と書けば有効になるわけではありません。

適格請求書を発行するには登録が必要です。通常の適格請求書では、売手の氏名または名称と登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとの対価の合計と適用税率、税率ごとの消費税額等、交付先の氏名または名称などを確認します。業種等によって簡易インボイスの扱いがあるため、自分の取引に合う方式を確認してください。

制度の基本は国税庁のインボイス制度の案内を参照します。未登録の場合に他人の番号や仮の番号を記載することはせず、通常の納品書としての用途と区別してください。

複数の書類で必要事項を満たす場合

納品書と請求書など、複数の書類全体で適格請求書の必要事項を満たす方法もあります。ただし、相互の関連が明確で、受け取った事業者が必要事項を適正に認識できることが前提です。関連のない書類を後から集めればよい、という意味ではありません。

たとえば毎回の納品書に取引の詳細があり、月次請求書に税率ごとの合計や必要事項をまとめるなら、対象の納品書番号などで対応を明確にします。相手がどの書類を保存すべきかも理解できる運用にすることが大切です。

この考え方は国税庁の適格請求書に関する基本通達で確認できます。税額の計算と端数処理まで含めて設計が必要なため、複数書類方式へ変更する場合は税理士等と確認してから運用をそろえるとよいでしょう。

必要な書類の役割を取引前に共有する

納品書、請求書、検収書をそれぞれ誰が作るのか、いつ受け渡すのかを初回取引で確認しておくと、後の行き違いを減らせます。相手から必要だと言われた時点で慌てて作るより、毎回同じ流れで処理できるほうが管理しやすくなります。

業務委託では、給付内容、報酬、期日などの取引条件の明示が必要となる法律の適用を受ける場合があります。納品書だけで発注時の条件確認を代用しようとせず、対象要件と義務を公正取引委員会のフリーランス法案内で確認してください。

書類が多いことより、同じ取引を矛盾なく追えることが重要です。自分と相手のどちらか一方しか分からない管理番号を使う場合は、共通する発注番号や案件名も併記し、確認のための窓口を明確にしておきます。

送付・訂正・保存まで納品記録をつなげる

送付や訂正後の納品記録を整理し保存する事業主

送付先と添付ファイルを最後に照合する

メールで送る場合は、宛先、案件名、添付ファイルを一組として確認します。似た案件名の別会社へ誤送信すると、金額や商品情報を漏らすことになります。送信前にPDFを開き、ファイル名だけでなく中の宛名まで確かめてください。

ファイル名には、納品日または発行日、取引先を識別できる名称、納品書番号を使うと整理しやすくなります。機密の案件名を含む場合は、取引先の運用や共有範囲も考慮します。メール本文へ必要以上の個人情報を重複して書くことは避けましょう。

送付文では、何の案件の納品書か、何を確認してほしいかを短く伝えます。成果物と納品書を別の経路で送る場合は、その関係も説明します。送った記録を残し、相手が受け取れなかった場合に再送できるよう、発行した版を保管します。

間違いがあれば訂正内容を明示する

数量、宛名、金額などの誤りに気付いたら、取引先へ連絡し、どの書類のどの項目を訂正するかを伝えます。新しいPDFだけを無言で送り直すと、どちらを使えばよいか相手が迷います。旧版の扱いと、訂正版を正式版として扱うことを明確にします。

訂正時には変更前の記録も残します。保存済みのファイルを同じ名前で上書きするだけだと、いつ何が変わったか追えなくなります。元の番号と関連が分かる形で訂正の履歴を持ち、二重納品や二重請求と誤解されないようにしてください。

適格請求書として使う書類に誤りがある場合は、税務上の訂正方法も確認が必要です。受け取った側が都合よく書き換えて済ませる前提にせず、発行者として正しい内容を渡す手順を整えます。金額変更を伴うときは請求書側も合わせて確認します。

電子でやり取りした書類は電子保存を確認する

メールやシステムでやり取りした取引情報は、電子取引データの保存に関する制度を確認します。PDFを印刷した紙だけ残せば、どの事業者でも十分と考えることは避けてください。保存方法には改ざん防止や検索等の要件、一定の条件による取扱いがあります。

まずは、発行したPDF、送付した記録、関連する発注書や請求書を案件ごとに探せる状態にします。クラウドサービスへ置くだけで法令上の要件をすべて満たすとは限りませんが、原本を失わず、日付・取引先・金額などで確認できる運用は基本になります。

具体的な要件は国税庁の電子取引関係の案内を参照してください。自分の規模や保存の事情に応じた条件を確認し、例外的な措置を根拠なく全取引へ当てはめないようにします。

保存期間を一律に決めつけない

納品書の保存期間は、事業者の区分、申告の方法、書類の用途などで確認が必要です。青色・白色の違いや、適格請求書の写しとして保存する場合などを含め、「納品書は必ず何年」と一つの数字だけで判断しないようにします。

国税庁の個人事業者の記帳・帳簿等の保存案内では、帳簿と書類の区分ごとの保存期間が示されています。納品書を何の資料として保管するかを確認し、複数の要件が関わる場合は税理士等へ相談してください。

保存が必要な期間中に使えるよう、バックアップと閲覧方法も整えます。専用ソフトを解約すると過去の書類が見られなくなる可能性があるなら、解約前に出力や保存条件を確認します。ファイルが存在するだけでなく、内容を開いて読める状態を保つことが大切です。

毎回の発行をチェックリストにする

納品書の作成は、テンプレートを持つだけでなく、発注内容との照合、実物の確認、送付、保存までを一つの手順にすると安定します。繰り返し発行するほど、前回の情報が残るミスへ注意が必要です。毎回変わる項目を目立つ位置に置きましょう。

  • 宛名・発行者・納品書番号・発注番号が正しい
  • 納品日と発行日を実際の出来事に沿って記録している
  • 品名・仕様・数量・単位が現物や提出ファイルと一致している
  • 金額を載せる場合は単価・税区分・合計を照合した
  • 分納・差替え・追加納品を区別できる
  • 相手の指定先へ正しい版を送り、関連書類とともに保存した

納品書は、渡した内容を後から双方が確認できるようにする記録です。見栄えを整えることに加え、契約、実際の納品、検収、請求が同じ取引としてつながっているかを確かめれば、小さな書類でも大きな行き違いを防ぐ助けになります。

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