ポートフォリオの掲載許可|依頼文・確認項目・載せられないときの対処

作品集を開き、ポートフォリオに掲載する内容と許可を確認する女性 副業

ポートフォリオに仕事の成果物を載せたいときは、最初に契約と権利関係を確認し、掲載できる範囲がはっきりしない場合は依頼者へ相談します。「自分が作った」「すでに公開されている」「相手の名前を消す」という理由だけで、自由に掲載できると判断しないことが大切です。

相談するときは、作品名だけでなく、使う画像、説明文、自分の担当範囲、掲載先、公開時期を示します。相手が完成イメージを見て判断できれば、「実績掲載は大丈夫です」という短い返答の意味も、具体的にそろえやすくなります。

この記事では、デザイン、イラスト、記事、Web制作などの受託実績を紹介する人向けに、掲載許可の確認と依頼文、公開前の点検、掲載できない場合の代案を整理します。文例と案件は説明用の架空例です。個別の契約や法的判断が争点になる場合は、一般的な文例だけで処理せず専門家に相談してください。

  1. 掲載前に著作権・守秘義務・関係者を確認する
    1. 自分が制作したことと、掲載できることを分ける
    2. 契約にある実績紹介の条件を読む
    3. 著作権を譲渡した作品と、第三者素材を確認する
    4. 写っている人や顧客の情報も点検する
    5. 公開済み・出典付き・限定公開だけで判断しない
  2. 掲載したい内容と媒体・時期を具体化する
    1. 見せる画像と説明文を先に選ぶ
    2. 自分が担当した範囲を具体的にする
    3. Web・SNS・PDF・面談を分けて考える
    4. 公開日と公開を終える条件を確認する
    5. 画像の加工と実績の数字を別に確認する
  3. 依頼者へ掲載許可を相談する文面と順序
    1. 契約上の窓口から相談する
    2. 最初の依頼は目的と掲載案を簡潔に伝える
    3. 条件付きの返答は項目ごとに確認する
    4. 返答がないときは未確認として扱う
    5. 許可の記録を掲載案と一緒に保存する
  4. 許可された範囲で実績ページを作る
    1. 承認された画像と文章を基準に組み立てる
    2. ファイル名・説明欄・プレビューも確認する
    3. 限定公開は閲覧者と期間を管理する
    4. 公開前に条件表と照合する
    5. 公開後も内容が変わったら条件を見直す
  5. 掲載不可・変更・削除依頼への対応を整える
    1. 断られた理由を必要な範囲で確かめる
    2. 名前を伏せる案や文章だけの紹介も確認する
    3. 自主制作は実案件と区別して見せる
    4. 修正や削除の連絡が来たら公開範囲を確認する
    5. 次の受注では実績掲載の希望を先に伝える

掲載前に著作権・守秘義務・関係者を確認する

作品と契約資料を照らし、権利や守秘義務の条件を確認する男性

自分が制作したことと、掲載できることを分ける

仕事で関わった作品でも、自分が現在その著作権を持っているとは限りません。取引先へ譲渡している場合、勤務先の職務著作に当たる場合、共同制作や第三者の素材が含まれる場合など、状況によって確認する相手が変わります。作業した事実と、作品を利用できる権利を別々に整理しましょう。

逆に、仕事として依頼された作品の著作権が、必ず依頼者へ移るわけでもありません。契約上の権利帰属や利用条件を読み、何を譲渡し、何を自分に残したかを確認します。請求書を出したことや報酬を受け取ったことだけで、掲載の可否まで決まると考えないでください。

確認する資料には、基本契約、個別の発注、見積書の条件、秘密保持契約、メールでの追加合意などがあります。どれか一つの文書に都合のよい表現があっても、関連する条件を無視しないようにします。複数の文書の優先関係や意味が分からない場合は、独断で公開せず確認します。

契約にある実績紹介の条件を読む

「実績として掲載可」と書いてあっても、許可される媒体や時期が限定されていることがあります。自分のWebサイトだけなのか、SNSや営業資料も含むのか、公開前の確認が必要なのかを読みます。依頼者の公開後という条件があれば、納品しただけで掲載を始めないようにします。

文化庁の法的問題に関するFAQ(5-⑬)は、実績紹介について、契約での取り決め、著作権の帰属、秘密保持を分けて説明しています。著作権が作者に残っている場合でも、取引の存在自体が秘密保持の対象となる可能性があります。

したがって、著作権の点で使える作品でも、取引先名や契約の事実を紹介してよいかは別に確認します。既に明確な許可がある範囲ならその条件に従い、定めがない、範囲が曖昧、当初と違う媒体に載せたいという場合には、掲載案を示して相談しましょう。

著作権を譲渡した作品と、第三者素材を確認する

著作権を取引先へ譲渡している場合、作品を複製したりWebで送信したりする実績紹介には、原則として取引先の同意が必要です。ただし、契約で自分の実績紹介を認めてもらっている場合は、その範囲を確認します。譲渡したら一生何も紹介できない、と早合点する必要はありません。

作品の中に写真、フォント、音楽、イラスト、テンプレートなどが含まれる場合は、その素材の利用条件も見ます。顧客の広告へ使える許可が、自分の宣伝用サイトにも同じように使える許可とは限りません。依頼者が許可しても、第三者が持つ権利まで処理できているかは別の問題です。

確認が難しい素材は、実績紹介用に権利上使える素材へ差し替える案を検討できます。ただし、差し替えることで元の仕事とは違う内容になる場合は、その点を正直に説明し、依頼者へ確認します。納品した作品そのものと、説明用に再構成した見本を混同しないようにします。

写っている人や顧客の情報も点検する

人物写真、氏名、メールアドレス、顧客の声、注文番号、管理画面などが写っている場合は、作品の著作権とは別に、個人情報やプライバシーへの配慮が必要です。依頼者の了承だけで、写っている本人や別の顧客の情報まで自由に公開できると考えないでください。

個人情報保護委員会の写真に関するQ&Aでも、本人を判別できる写真は個人情報に当たり、プライバシーや肖像の権利への配慮が必要であることを説明しています。同意の必要性は扱う情報や状況によりますが、作品紹介では、不特定多数へ見せる範囲を具体的に確認することが重要です。

名前を伏せたつもりでも、顔、制服、店舗、画面上のID、周辺の文章などから特定されることがあります。ぼかしを一か所入れただけで安全だと判断せず、画像全体と説明文を合わせて確認します。子どもや健康状態などが関係する写真は、特に慎重に扱いましょう。

公開済み・出典付き・限定公開だけで判断しない

依頼者のサイトに公開済みの作品でも、自分のポートフォリオへ画像を転載する行為は別の利用です。出典やリンクを付ければ、必ず転載が認められるわけではありません。文化庁のFAQも、引用には公表された作品であることや目的に照らした正当な範囲などの条件があると説明しています。

作品画像を大きく並べ、自分の実績として紹介するページが、当然に著作権法上の引用になるとは限りません。「引用と書けばよい」「小さくすればよい」と形式だけで判断しないでください。引用としての利用を考える場合も、秘密保持など契約上の条件が別に関係することがあります。

パスワード付きのページや採用担当者一人に送るPDFも、第三者へ作品や情報を見せる行為です。公開範囲を限定すれば無条件で許可が不要になるということではありません。閲覧者を限る方法は、許可された利用を管理するための工夫として考えましょう。

掲載したい内容と媒体・時期を具体化する

画面と紙の作品見本を並べ、掲載媒体と公開する範囲を具体化する机上

見せる画像と説明文を先に選ぶ

許可を相談する前に、どの作品のどの部分を載せたいかを選びます。全ページを載せる必要があるのか、一部の画像と担当内容の説明で足りるのかを考えます。自分のスキルを伝える目的に必要な範囲へ絞ると、相手も判断しやすくなります。

掲載候補には、画像、タイトル、取引先名、制作時期、担当工程、使用したツール、成果の説明などがあります。画像だけ許可をもらって、後から売上や制作費を説明文に追加することは避けます。公開したい情報を一つの案へまとめ、文章も確認対象にします。

まだ公開していない確認用の資料を作り、ページの見本として見せる方法があります。相談のために先に一般公開してしまわないようにしてください。共有する確認用データも、必要な相手だけが閲覧できる方法にし、第三者へ見せるための案と区別します。

自分が担当した範囲を具体的にする

共同制作の仕事を紹介するときは、自分の担当範囲を明記します。サイト全体を作ったのか、一部ページのデザインだけなのか、構成や原稿を担当したのかによって、実績として伝わる意味が変わります。関わった事実を、大きな肩書きや成果へ置き換えないようにしましょう。

たとえば「制作担当」より、「既存デザインに基づく下層三ページのコーディング」「支給された構成案に沿った本文執筆」のような説明が具体的です。数字や範囲は実際の仕事に合わせます。担当していない企画、撮影、実装まで自分の成果に含めないことが大切です。

チームや制作会社の名前を併記するかも確認します。名前を出すことで相手の広報ルールや契約上の制約が関係する場合があります。自分の役割を正確に伝えつつ、他の制作者の貢献を消したり、関係者の名前を無断で推薦者のように使ったりしないようにします。

Web・SNS・PDF・面談を分けて考える

自分のWebサイト、SNS、営業用PDF、面談中の画面共有では、見える相手や複製される可能性が異なります。Web掲載だけ許可されているからといって、広告配信や資料販売にも使えるとは限りません。想定する使い方を媒体ごとに整理します。

WebサイトならURLと一般公開か限定公開か、SNSなら使うアカウントと投稿の形式、PDFなら配布相手や再配布の扱いを示します。面談で見せるだけの場合も、その条件で了承されているか確認します。少人数に見せることは、利用目的が変わらない保証にはなりません。

最初から使う予定のない媒体まで、広く一括で許可を求める必要はありません。まず必要な媒体を明確にし、後で利用を広げたくなったら、既存の許可に含まれるか確認します。管理できる範囲で利用することが、将来の修正や削除への対応もしやすくします。

※表は横にスクロールできます。

確認項目相手へ示す内容の例見落としやすい点
対象作品作品名と掲載するページ・画像同じ案件の未採用案まで含めない
掲載情報担当範囲・制作時期・説明文制作費や成果数値の追加
掲載媒体自分のサイトURL・SNS・配布資料Web許可を別媒体へ広げない
公開範囲一般公開・相手を限った閲覧限定公開なら無条件でよいと思わない
公開時期依頼者の公開後、指定日以降など納品日と公開解禁日を混同する
加工と表記縮小・トリミング・社名・クレジット確認していない改変や名前の利用

公開日と公開を終える条件を確認する

作品の納品日、依頼者が公開する日、自分が実績を公開できる日は、同じとは限りません。イベント告知、商品発売、キャンペーンなどは、情報を出す時期が重要です。公開予定が変更された場合に、自分の掲載予定も見直す必要があるか確認します。

「依頼者の公開後」という条件なら、何をもって公開されたと判断するかもそろえます。一部の関係者向けに先行公開された状態と、一般向けの正式公開は違う場合があります。公開を確認できないまま、当初の予定日だけを頼りに掲載しないでください。

掲載期間が決まっている場合は、終了日を管理します。また、将来の修正や取り下げの連絡先も確認しておくと、事情が変わったときに対応しやすくなります。掲載を始めたら永久に同じ条件で使えると決めつけず、合意した期間と運用に従います。

画像の加工と実績の数字を別に確認する

画像を見やすくするための縮小、トリミング、背景の変更、画面へのはめ込みなども、実際に行う加工を確認します。作品の一部を切り取ることで意味が変わったり、他の人のクレジットを消したりしないようにします。修正してよい範囲は、権利者との合意や素材の条件にも関係します。

実績の数字を載せる場合は、公開してよい情報か、どの期間や対象の数字か、自分の担当とどう関係するかを確認します。「売上が二倍になった」といった表現は、依頼者が公表した数字でも、自分の仕事だけの成果と断定できるとは限りません。

数字がない実績でも、目的、制約、担当工程、工夫した点は説明できます。ただし、その過程に機密情報が含まれていないかを見ます。成果を強く見せるために、公開されていない内部資料や顧客データを持ち出さないようにしましょう。

依頼者へ掲載許可を相談する文面と順序

掲載したい作品見本を確認しながら、依頼者への許可相談を作成する女性

契約上の窓口から相談する

最初の相談先は、契約相手や、取引で指定された担当窓口です。制作会社や代理店を介した案件では、最終的な顧客へ直接連絡してよいとは限りません。取引の経路を飛び越えず、誰が掲載の判断や関係者への確認を行うかを尋ねます。

普段の担当者が、著作権や広報の利用許諾まで決められるとは限りません。「私は大丈夫だと思います」という感想と、組織としての許可を混同しないようにします。必要なら、社内の確認担当へ回してもらえる資料を用意します。

一方、窓口に最初から複雑な法律用語を並べる必要はありません。実績として紹介したい目的と、具体的な掲載案を伝え、必要な確認の手順を尋ねることから始めます。相手に第三者の権利まで無制限に保証させるような依頼にならないよう、確認事項を整理しましょう。

最初の依頼は目的と掲載案を簡潔に伝える

依頼文には、対象案件、掲載の目的、掲載先、掲載予定の内容、希望時期を入れます。「ポートフォリオに使ってよいですか」だけでは、公開範囲や情報量が伝わりません。相手が何に同意するのか判断できるように、見本や一覧を添えます。

架空の文例は、「先日納品した商品紹介ページについて、担当実績として自分のWebサイトで紹介したく、ご相談です。掲載したい内容は、公開済みページの画像二点、制作時期、私が担当した文章作成の範囲です。掲載案を添付しました。一般公開のページでの紹介を予定しており、制作費や未公開資料は掲載しません。可否と、修正が必要な箇所をご確認いただけますでしょうか」という形です。

実際には、画像の点数や担当内容を事実へ置き換えます。「公開済みだから許可は不要だと思いますが」と前提を押し付けず、相手が判断できる情報を示します。許可の返答前に公開する予定を、確定事項として案内しないようにしてください。

条件付きの返答は項目ごとに確認する

「社名を出さなければよい」「公開後ならよい」と返答された場合は、それだけで全項目が認められたと判断せず、具体的な掲載案との対応を確認します。社名を消しても、ロゴやドメインが残れば相手を特定できる場合があります。どこを直せば条件を満たすかを明らかにします。

「画像は一枚だけ」「担当範囲だけなら可」といった条件なら、修正した案を作り直します。元の案と新しい案を混ぜず、版や日付を付けて送ります。口頭で条件を聞いたときも、文章で要点を確認すると認識違いを減らせます。

確認文の例は、「ご返信ありがとうございます。社名・ロゴ・URLを掲載せず、添付の画像一枚と担当工程の説明だけを、自分のWebサイトへ掲載する形に修正しました。この案で問題ないかご確認をお願いします」です。これは架空例であり、匿名化の条件が実際に満たせるかは内容を見て判断します。

返答がないときは未確認として扱う

掲載の相談に返答がない場合は、送信先や添付漏れを確認し、必要に応じて一度状況を尋ねます。相手が忙しい、別の部署へ確認している、掲載を判断できないなどの事情が考えられます。返信がないことだけを、自分の希望どおりの許可と扱わないでください。

「何日までに返事がなければ掲載します」と一方的に宣言して、合意を作ったことにするのは避けます。もともとの契約に明確な掲載許可がある場合はその範囲を読みますが、追加の許可を求めている部分は、未確認のまま公開しないようにします。

急いでポートフォリオが必要でも、その事情で相手の判断を省略できるわけではありません。確認済みの別作品や、自主制作の見本へ切り替える準備をします。応募や提案の締切に合わせて無理に未確認の実績を使うより、説明できる材料で構成するほうが管理しやすくなります。

許可の記録を掲載案と一緒に保存する

許可のメールだけでなく、相手が確認した掲載案も一緒に残します。「この内容で大丈夫です」という返答は、どのファイルやページを指すか分からなければ、後から利用範囲を確認しにくくなります。作品、媒体、公開範囲、時期、条件を対応させて管理します。

記録には、相談した相手、返答日、掲載案の版、認められた範囲、除外する情報、掲載期間などをまとめます。相手の文面を自分に都合よく要約して、条件を削らないようにしてください。最終案へ修正が入った場合は、その案への確認も残します。

契約で使える範囲が決まっている場合も、参照する契約の版や該当箇所を分かるようにしておくと便利です。一般的な契約の見落としを確認するときは、業務委託契約で確認する項目も参考にし、実績掲載の条件をほかの権利・秘密保持の条件と合わせて読みましょう。

許可された範囲で実績ページを作る

許可範囲に合わせて作品と担当内容を整理し、実績ページを作る作業

承認された画像と文章を基準に組み立てる

ページを作るときは、許可された最終案を基準にします。見栄えをよくするために画像を追加したり、別案件の情報を混ぜたり、説明を大きく膨らませたりすると、許可の範囲から外れることがあります。公開前に、相談した案と実際のページを見比べてください。

作品の全体像を伝えるために周辺情報を加えたい場合も、どこまでが確認済みかを意識します。新しい取引先名や成果数値を追加するなら、その情報を出してよいか別途確認します。担当工程の説明だけの許可を、顧客から推薦されたような表現へ変えないようにします。

実績の文章は、自分が行ったことを中心に書きます。企画の背景や制約を説明するときも、共有してよい範囲に絞ります。読み手に仕事の進め方を伝えることと、依頼者の内部事情を詳しく見せることは、同じではありません。

ファイル名・説明欄・プレビューも確認する

画面上の画像と本文だけでなく、ファイル名、画像の説明、代替テキスト、PDFのプロパティなどにも情報が残ることがあります。取引先名を非表示にする条件なのに、画像ファイル名へ社名が入っていると、条件と食い違う可能性があります。

SNSで共有したときのプレビューや、検索結果に使われるタイトル・説明文も確認します。本文から削った社名が、古い説明文やサムネイルに残っていないかを見ます。画像の元データ、コメント、変更履歴などを、公開するファイルへ不要に含めないようにしてください。

公開先の管理画面へ素材を登録するときも、登録しただけで外部から見える場合がないかを確認します。確認用ページを非公開にしたつもりでも、画像単体のURLが公開される仕組みなどがあり得ます。使うサービスの仕様に合わせ、掲載許可が取れる前の資料を安易に置かないようにします。

限定公開は閲覧者と期間を管理する

相手を限った閲覧だけ認められている場合は、誰が見られるかを管理します。URLを知っていれば誰でも開けるページと、指定した相手だけが認証して開くページは違います。「検索に出にくい」設定だけを、閲覧制限と同じに扱わないでください。

認証や共有制限を使う場合は、サービスの現在の機能を確認し、対象外の人から見えないかを点検します。ただし、閲覧制限を付けても、相手による保存や画面撮影などを完全に防げると保証することはできません。許可の条件に、そのような限界も踏まえた運用が合うか確認します。

PDFを送る場合は、配布先と版を控え、必要な範囲を超えて転送しないよう依頼できます。閲覧期間が終わったときに自分で停止できる共有方法かどうかも考えます。管理できない広い配布を前提にせず、許可された範囲で運用してください。

公開前に条件表と照合する

最終確認では、許可の記録を見ながら、作品、画像、文章、担当範囲、社名、媒体、時期を一つずつ照合します。許可を取った本人だけが記憶で確認するのではなく、記録と画面を並べて点検すると、後から追加した情報にも気づきやすくなります。

特に、公開時期の変更と、画像の加工条件は見落としやすい項目です。依頼者の公開予定が延期されていないか、承認後にトリミングや差し替えをしていないかを確かめます。別の人がページを作った場合は、その人にも必要な条件を正確に伝えます。

不明点が残った場合は、全体を急いで公開するより、確認済みの範囲だけで構成できるかを検討します。勝手に条件を緩めるのではなく、掲載しない部分を決める方法です。公開の可否を自分の都合だけで決めず、合意との一致を基準にしてください。

※表は横にスクロールできます。

公開直前の点検確認方法問題がある場合
画像と文章承認された掲載案と見比べる変更部分を戻すか再確認する
担当範囲発注・制作記録と照合する実際に担当した工程へ修正する
名前・個人情報画像全体と各説明欄を見る許可条件に従い除去・差し替えを検討する
公開時期最新の合意と公開状況を確認する条件が満たされるまで公開を保留する
閲覧範囲想定外の人から見えないか確認する共有設定と配布先を見直す
連絡先・終了日許可記録の管理表を見る対応できる窓口と予定を整える

公開後も内容が変わったら条件を見直す

許可されたページを公開した後でも、別の媒体へ転載したい、画像を増やしたい、広告に使いたいといった変更が生じることがあります。元の許可に含まれる利用かを確認し、含まれていなければ追加で相談します。最初の掲載許可を、将来のあらゆる利用への同意と扱わないようにします。

自分のサイトを移転する場合や、他社のポートフォリオサービスへ登録する場合も、掲載先や公開範囲が変わります。サービスへ投稿する際に求められる利用規約と、依頼者から認められた範囲が両立するかを確かめます。条件を満たせないサービスへ、無理に作品を登録しないでください。

掲載中の情報が古くなったときは、制作時点の実績であることが分かるようにします。現在も自分が運用している、今も同じ契約で取引していると誤解される表現がないかも見直します。作品の紹介と、現在の業務関係を混同させないことが大切です。

掲載不可・変更・削除依頼への対応を整える

掲載できない作品を保管し、自主制作など別の見せ方を検討する女性

断られた理由を必要な範囲で確かめる

掲載が難しいと返答された場合は、相手を説得することだけに集中せず、どの条件が難しいのかを確認します。作品そのものを出せないのか、社名だけが不可なのか、時期が早いのか、第三者の権利確認ができないのかで、考えられる代案は変わります。

ただし、相手が理由を詳しく話せない場合もあります。事情を無理に聞き出したり、許可するまで何度も依頼したりする必要はありません。代案の相談ができる状況なら、範囲を限定した案を一度示し、それでも難しければ別の材料を使う判断をします。

掲載を断られたことを、自分の仕事への評価が低い証拠と受け取る必要はありません。顧客の広報方針、契約、未公開情報、関係者の権利など、制作の品質とは別の事情が関わることがあります。無理に公開するより、次の実績づくりへ活かせる条件を整理しましょう。

名前を伏せる案や文章だけの紹介も確認する

作品画像が使えない場合に、「業種と担当工程だけを紹介する」「社名と画像を出さず経験を説明する」といった代案を考えることがあります。ただし、匿名なら必ず許可されるわけではありません。契約の存在そのものが秘密であれば、取引を推測できる説明も問題となる可能性があります。

たとえば、業種、地域、制作時期、商品の特徴を組み合わせると、相手が分かる場合があります。名前だけを消した文章を、自分だけで匿名と判断しないようにします。代案を示す場合も、実際に掲載する文章を確認してもらうほうが、認識をそろえやすくなります。

数値を丸めたり、画面をぼかしたりする場合も同様です。加工によって情報が十分に保護されるか、事実を誤って伝えないかを見ます。許可が確認できない案件は掲載せず、別の方法で自分の技能を伝えることを検討してください。

自主制作は実案件と区別して見せる

実績を公開できないときは、自主制作の見本を作る方法があります。架空の店舗を想定したデザイン、自分で設定したテーマの記事、使用許可を確認した素材による作例など、制作意図と工程を説明できる作品を用意します。架空案件を実際の顧客の仕事として見せないことが大切です。

自主制作でも、既存のキャラクター、写真、音楽、ロゴ、テンプレートなどを使うなら、それぞれの条件を確認します。仕事の依頼者がいないことと、他者の権利が関係しないことは同じではありません。既存サイトを模写したものを、自分の独自デザインとして紹介することも避けます。

実案件で知った秘密の構成や未公開資料を、自主制作という名前に変えて流用しないようにします。一般的に身に付けた技能を使い、公開できる材料から別の作品を作ります。自主制作であること、想定した課題、自分が担当した工程を明示すれば、経験が浅い段階でも内容を正確に説明できます。

修正や削除の連絡が来たら公開範囲を確認する

掲載後に修正や取り下げの連絡が来た場合は、連絡元、対象ページ、対象情報、理由を確認します。機密情報や個人情報の露出が疑われる場合は、拡散を抑えるために一時的に非公開にするなど、状況に応じた対応を検討します。権利関係を争う前に、何がどこに見えているかを把握することが重要です。

自分のWebサイトだけでなく、SNS、配布したPDF、掲載サービス、サムネイルなど、同じ情報を使った場所を一覧にします。自分で変更できる範囲を対応し、配布先に連絡が必要な場合は合意した方法を確認します。既に第三者が保存した情報まで、完全に回収できると約束しないでください。

元の許可との関係や、費用・損害の請求が問題になっている場合は、許可の記録と公開時の版をそろえて専門家へ相談します。相手のメールや契約書を公開して反論することは、別の秘密情報を広げるおそれがあります。事実の保全と、外への公開は分けて扱いましょう。

次の受注では実績掲載の希望を先に伝える

実績を増やすことが重要なら、次の受注時に、掲載したい媒体や時期を相談しておく方法があります。契約を終えてから初めて相談するより、相手が関係者の条件を確認する時間を取りやすくなります。ただし、掲載できることを当然の条件として押し付けるのではなく、仕事の条件の一つとして協議します。

掲載不可の仕事を受けるかどうかは、報酬、内容、経験、継続性などを含めて判断します。掲載を認めてもらう代わりに必ず値引きすべき、掲載不可なら一定割合を上乗せすべき、と一律の価格ルールを作る必要はありません。自分の希望と相手の事情を、受注前に確認することが大切です。

ポートフォリオの掲載許可は、一言の承諾を集める作業ではありません。契約と権利を確認し、何をどこへいつ出すかを具体化し、合意した範囲で紹介し続けるための準備です。公開できない実績は無理に使わず、正確な担当説明と自主制作も組み合わせ、自分の仕事を安心して説明できる作品集を整えましょう。

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