ハンドメイド作品の台紙は、作品を取り付けた状態からサイズを決め、紙と固定方法を試し、必要な情報を読みやすく配置して作ります。先におしゃれなデザインを完成させるより、作品を置く場所、穴や切り込み、袋に入れたときの余裕を確かめると、作り直しを減らせます。
小さなピアス、長いネックレス、厚みのあるブローチでは、同じ台紙が合うとは限りません。店頭で見せる場合と、ネット販売で梱包して送る場合でも必要な強度は変わります。台紙だけで作品の保護を完結させようとせず、袋、緩衝材、外箱まで一組で考えましょう。
この記事では、初めて台紙を自作する人や、小ロットで作品を販売する人に向けて、設計、紙選び、デザイン、印刷、検品の手順を説明します。寸法や費用の例は考え方を示す仮定です。印刷条件は用紙、プリンター、発注先で異なるため、2026年10月5日確認のメーカー等の案内も参照し、使う製品の最新仕様を優先してください。
- 作品と金具を含めた大きさを測る
- 白紙で試作し、穴と袋の位置を確認する
- 紙の強度とプリンターの対応を別々に確かめる
- 実寸印刷と梱包後の見え方を確認してから量産する
作品と販売方法に合わせて台紙を設計する

台紙に持たせたい役割を決める
台紙には、作品を支える、並べたときに見やすくする、作家名を伝える、取り扱い情報を添えるといった役割があります。一枚ですべてを済ませようとすると、文字や装飾が増えて作品の場所がなくなりがちです。今回もっとも必要な役割から決めてください。
対面販売で手に取って見てもらうなら、表面で作品の形が分かることが重要です。ネット販売の発送用なら、輸送中にずれにくいことや、開封後に取り外しやすいことも考えます。保管用として残してほしいなら、何の作品が付いていたか後から分かる情報が役立ちます。
台紙は作品の代わりに目立つためのものではありません。作品の色や質感が見えることを中心に置き、背景やロゴを整えます。売上が必ず増えるという効果を期待するより、購入者が作品を理解し、扱いやすくなる道具として設計しましょう。
実物を置いて必要な範囲を測る
作品を紙の上へ置き、正面から見た幅と高さだけでなく、金具の出っ張り、揺れる部分、取り外すときの動きまで確認します。完成した図案へ後から押し込むより、実物に合わせて余白を取るほうが無理のない台紙になります。
左右一組のアクセサリーなら、二つの作品の間隔も考えます。近すぎると接触して傷が付く可能性があり、離しすぎると台紙が大きくなります。揺れる飾りがある場合は、動いたときに隣の作品へ重ならないかを試してください。
測定のメモには作品名と品番を付け、どの作品用の寸法か分かるようにします。同じ型でも大きなパーツへ変更すると必要な範囲が変わります。新しいシリーズを出すときは、前の台紙を無条件に流用せず、実物を置いて再確認しましょう。
吊り下げ・平置き・立て置きを想定する
売場でどのように並ぶかによって、作品にかかる力や見え方が変わります。フックへ吊るすなら上部の穴の位置と強度、平置きなら裏側の金具による傾き、立てるなら台紙の反りや重心を確認します。
委託店へ出す場合は、台紙のサイズ、吊り穴、値札、バーコードなどの指定があるかを先に聞きます。自由に作った台紙が棚に入らなかったり、店の値札で作品名が隠れたりすると、再包装が必要になります。
イベントで使うディスプレイも実際に試します。家では見やすくても、狭い卓上で何枚も並べると文字や色が競合する場合があります。一枚だけの完成度と、複数を並べたときの分かりやすさを両方確認してください。
袋と外箱を先に候補へ入れる
台紙を透明な袋へ入れるなら、袋の内寸と作品の厚みを確認します。紙だけなら入っても、金具や立体的な飾りを付けるときつくなることがあります。袋を無理に引っ張ると、作品が曲がったり、封の部分が浮いたりしやすくなります。
袋に収まることだけでなく、外箱や封筒へ入れた状態も試します。台紙を大きくした結果、使っていた箱に入らなくなり、送料区分が変わる場合もあります。台紙のサイズは発送工程にもつながるため、最後に確認する項目へ回さないことが大切です。
反対に、送料を小さくするためだけに作品の保護を減らすのも避けます。台紙は位置を保つための一部で、衝撃や圧力への対策は別途必要です。全体の梱包はハンドメイド作品の梱包方法と合わせて検討してください。
一種類で共用するか専用にするか選ぶ
作品ごとに完全に違う台紙を作ると、在庫と制作データの種類が増えます。一方、すべて同じ台紙へまとめると、固定が不安定になる場合があります。サイズや金具の形が近い作品をまとめ、必要なものだけ専用にすると管理しやすくなります。
たとえば小さなピアスのシリーズは同じ外寸で共用し、穴の位置だけを作品に合わせて調整する方法が考えられます。長いネックレスや重いブローチは、別の台紙として設計したほうが使いやすい場合があります。
共用する場合は、ロゴや連絡先などの共通情報と、品番や価格など変わる情報を分けます。値札用のラベルを貼る場所を決めておけば、デザインを毎回直す必要を減らせます。共用のしやすさと作品の見え方の両方を基準にしてください。
白紙の試作で設計を確かめる
最初の試作は、本番の印刷をせず、近い厚さの紙を切って行えます。作品を取り付け、袋へ入れ、売場や梱包箱へ置いてみます。図面だけでは分からない引っ掛かりや、金具の位置を見つけるための工程です。
仮の寸法を試す際は、外寸、穴位置、切り込みの長さをメモします。たとえば幅七十ミリの台紙へ二点を置くなら、中央と左右の余白を実物で確認します。この寸法が一般的な正解というわけではなく、自分の作品に合うかを判断するための試作です。
試した結果を写真で残し、良かった点と変えたい点を書いておくと比較しやすくなります。一度に紙、穴、デザインをすべて変えるより、外寸を決め、固定方法を決め、その後に見た目を整える順序が進めやすいでしょう。
サイズ・紙の厚さ・固定方法を決める

外寸と作品を置く範囲を分ける
台紙の外寸が決まったら、作品を取り付ける範囲、ショップ名を置く範囲、穴や切り込みの範囲を分けます。完成データの端まで作品を配置すると、袋への出し入れやカットのわずかなずれで余裕がなくなります。
上下の余白は同じでなくても構いません。吊り穴やロゴのある上部、長い飾りが垂れる下部など、作品の形に合わせて調整します。見た目の左右対称だけでなく、重さが片側へ偏らないかも確認してください。
デザインを拡大縮小するときは、穴位置も一緒に変わるのかを意識します。外寸だけ縮めて作品の金具が合わなくなることがあります。サイズ違いを作る場合は、単なる縮小版として扱わず、現物で取り付けられるかを再確認します。
紙は厚さだけでなく曲がりにくさを見る
紙を選ぶ際は、厚いほど必ずよいとは限りません。作品の重さを支えられるか、穴の周囲が裂けにくいか、曲げた部分が割れないか、表面に印刷しやすいかを見ます。手触りや色も作品の印象へ影響しますが、まず必要な機能を満たすことが先です。
印刷用紙では「何kg」という連量の表示を見かけます。同じ表示でも紙の種類によって厚さが異なるため、数値だけで別の紙と同じ強度だと判断しないようにします。グラフィックの紙の厚さに関する案内も参考に、サンプルや仕様で確認してください。
可能なら少量の紙で試作し、作品を付けた状態で持ち上げたり、袋へ出し入れしたりしてみます。高級感があっても表面が擦れやすい、穴を開けると層がはがれるなど、実物で分かる点があります。見た目と扱いやすさを分けて評価しましょう。
ピアスとイヤリングは金具の逃げを作る
ピアスはポストを通す位置、キャッチを付ける裏側の空間、作品が前面で傾かないかを確認します。穴が大きすぎると抜けやすく、小さすぎると無理に押し込んで金具を傷めるおそれがあります。実際に使う金具で試してください。
イヤリングは、クリップやネジの形状に合う固定が必要です。切り込みへ挟む場合も、金具に強い力がかかったり、紙の端で表面が擦れたりしないかを見ます。同じアクセサリーでも金具を選択できる商品なら、それぞれの取り付け方を検査しましょう。
裏側の出っ張りが袋や他の作品へ当たる場合には、台紙の折りや追加保護を検討します。平らに見せたいからと、ポストやネジを無理に曲げないようにしてください。作品を傷めず、購入者が安全に外せる形を目指します。
ネックレスは絡まりと滑りを防ぐ
ネックレスやブレスレットでは、見せたい部分を正面へ出し、余ったチェーンを裏側へ収める方法が考えられます。左右の切り込みや穴を使う場合は、引っ張ったときに切れ目が広がらないか、チェーンが抜け落ちないかを確認します。
裏へまとめた部分を固定する際は、直接強い粘着材を作品へ付けないようにします。接着剤やテープが金属や糸に残ると、購入者が外すときの負担になります。固定用の袋や紙片など、作品に合う方法を少量で試してください。
長さ違いの商品では、余る部分の量も変わります。一番短いものだけで確認せず、販売する範囲の長いものでも収まるかを見ます。裏側が厚くなると袋や外箱との関係も変わるため、完成した梱包まで確かめましょう。
ブローチやヘアアクセサリーは重さを分散する
厚みや重さのある作品では、一か所の穴や切り込みへ力が集中すると台紙が傷みやすくなります。留め具の位置と作品の重心を確認し、必要に応じて固定位置を増やす、折り返す、別の形の資材を使うといった方法を検討します。
ブローチの針は、紙の裏側から不用意に触れない状態にします。安全金具の閉まりを確認し、袋や箱へ入れるときに勝手に開かないかも見ます。小さな作品だからと、金具の安全確認を省かないことが大切です。
ヘアクリップやゴムは、取り外しにくいほど強く固定する必要はありません。見た目の整い方だけでなく、購入者が説明なしでも外せるかを試します。外し方が分かりにくい構造なら、短い案内を添える方法も考えられます。
穴あけとカットの位置をそろえる
手作業で数を作る場合は、位置の基準を決めます。定規や下敷きの目印を使い、端からの距離をそろえると、並べたときのばらつきを減らせます。薄い紙の試作で合っていても、本番の紙では工具の通り方が違うことがあります。
カッターや穴あけ道具は、適したマットと安定した作業場所で使います。一度に無理な枚数を重ねず、道具の対応範囲に従ってください。刃物の進む方向へ手を置かないなど、安全に作業できる姿勢も大切です。
※表は横にスクロールできます。
| 作品の種類 | 主に確かめること | 試作で見る点 |
|---|---|---|
| ポストピアス | 穴と裏側のキャッチ | 抜け落ち・出っ張り・傾き |
| イヤリング | 金具を挟む位置 | 紙の裂け・金具の傷 |
| ネックレス | 切り込みと裏側の収まり | 絡まり・滑り・余りの厚み |
| ブローチ | 留め具と台紙の強度 | 針の安全・片側への傾き |
| ヘアアクセサリー | 固定と取り外し | 圧迫・脱落・外しにくさ |
印刷済みの台紙や加工済み資材を買う場合にも、対応する作品の種類を確認します。汎用品の穴が自分の金具へ合うとは限らないため、まとめ買いの前に現物で試すと判断しやすくなります。
読みやすい情報とデザインを整える

作品を主役にする余白を残す
デザインを作るときは、最初に作品が占める場所を仮の図形などで示します。その上でロゴ、ショップ名、説明を配置すると、完成後に文字が作品で隠れることを避けやすくなります。穴や切り込みの場所も分かるようにしておきましょう。
背景は、作品の輪郭と色が見えるものを選びます。透明感のある作品、濃い色の作品、金属の光沢などで見やすい背景は変わります。写真映えだけでなく、実物を手に取ったときにも形が分かるかを確認してください。
柄を使う場合は、作品と競合していないかを見ます。細かな模様と細かな装飾が重なると、どこからが作品か分かりにくくなることがあります。何も描かない余白も、作品を伝えるための大切な要素です。
ショップ名と連絡先を絞って載せる
台紙には、誰が作った作品か分かるショップ名やロゴを載せると、購入後に探してもらいやすくなります。すべてのSNSアカウントを並べるより、主な案内先を一つに絞る方法もあります。文字が小さくなりすぎないことを優先してください。
連絡先は、業務として公開してよい情報を使います。匿名配送で住所を相手へ知らせない運用なら、台紙に自宅住所を印刷していないかも確認します。販売上必要な表示については、作品や販売方法に応じた法令・サービスの要件を別途確認します。
ショップ名が長い場合は、ロゴの装飾文字だけで読めるかを試します。読み方や検索名が分かる補足を付ける方法もありますが、作品のスペースを奪いすぎないようにします。小さな台紙では、掲載する情報の優先順位が重要です。
素材・注意点は必要な分だけ明確にする
素材名、取り扱い、保管方法などを台紙へ記載する場合は、確認した内容を正確に書きます。「金属アレルギー対応」「変色しない」など、個人差や使用条件を無視した保証になりやすい表現は慎重に扱ってください。素材の情報と、絶対に問題が起きないという約束は別です。
詳しい説明が必要なら、台紙へすべてを詰め込まず、別の説明書や公開案内へつなぐ方法があります。台紙には最初に知ってほしい注意点と、詳細の確認先を示せば、文字の読みやすさを保ちやすくなります。
同じ台紙を複数商品で使う場合は、すべてに共通する注意だけを固定で印刷します。素材が違う作品へ誤った表示を付けないよう、品番別ラベルや説明カードを組み合わせます。デザインの統一より、情報の正確さを優先してください。
価格と品番は変更しやすい場所に置く
価格を直接印刷すると、値上げやイベント別の条件変更で台紙が使えなくなる場合があります。変更が多い情報はラベルや別の値札にする方法を検討します。値札をはがした後に糊が残るかも確認してください。
品番は小さくても読み取れる位置に置き、店側のラベルと重ならないようにします。委託先で作家番号が必要な場合は、その欄も確保します。値札を裏面にするなら、販売時に作品を傷めず裏を見られるかを試してください。
ギフト向けの商品では、価格情報を外せるほうが扱いやすい場合があります。価格を隠すためにロゴや注意事項まで切り取らなければならない配置は避けます。渡す相手と利用場面を考えて、変わる情報と残したい情報を分けましょう。
QRコードは余白と印刷後の読み取りを確認する
ショップや説明ページへのQRコードを載せる場合は、コードの周囲に余白を確保します。デンソーウェーブのコード領域の公式解説では、通常のQRコードの四辺にそれぞれ四セル分以上の余白が必要とされています。セルはコードを構成する小さな四角です。
余白へ模様や文字を重ねたり、コードを縦横別々の比率で伸ばしたりしないようにします。画面上で読めても、印刷で細部がつぶれる、紙の色でコントラストが下がる、袋の反射で読み取りにくくなることがあります。実際の台紙へ印刷し、作品と袋を付けて試してください。
読み取れることに加え、正しいページへ進むことも確認します。リンク先が非公開、古い商品、ログイン必須の編集画面になっていないかを見ます。コードだけで何の案内か分からない場合は、「ショップ」「お手入れ方法」など短い説明を添えましょう。
文字の大きさは実寸で判断する
デザイン画面を拡大すると、小さな文字でも読めてしまいます。実際に使うサイズで印刷し、手に取る距離で確認してください。特に連絡先、素材、注意事項など、読む必要がある情報は装飾の都合だけで小さくしないようにします。
細い文字や淡い色は、紙質と印刷方法によって見え方が変わります。白い背景に薄い灰色の文字を置くなど、画面ではきれいでも印刷で読みにくくなる組み合わせに注意します。重要な情報は、十分な濃さと余白を使って伝えます。
表面へ載せきれないなら、裏面や別カードへ移すことを考えます。裏面にも金具や固定テープの場所があるため、自由に使える面積を確認してください。両面を使うときも、作品を付けた状態で本当に読めるかが判断基準です。
家庭印刷と印刷会社を使い分ける

家庭印刷は少量の試作と変更に使いやすい
家庭で印刷する方法は、少数ずつ試したいときや、表記を頻繁に調整したいときに考えやすい選択肢です。ただし、用紙、インク、カット、穴あけ、失敗分の手間がかかります。自宅で作れば必ず安いとは限りません。
ブラザーのアクセサリー台紙の作り方では、家庭印刷用のカード用紙や、印刷後のカット・穴あけを使う方法が紹介されています。用紙とプリンターの対応を確認し、少量を試すところから始めると進めやすくなります。
台紙が大きなシートへ複数面並ぶ用紙を使う場合は、メーカーのテンプレートを利用します。似た外寸の別商品でも面の位置や余白が異なることがあります。用紙の商品番号とテンプレートを一致させてください。
プリンターの対応用紙と給紙方法を確認する
厚い紙を印刷したいときは、使用するプリンターの対応する厚さや紙種、給紙方法を確認します。前面トレイと背面給紙、片面と自動両面で条件が異なる場合があります。別の機種の説明をそのまま使わないようにします。
対応外の用紙を無理に通すと、紙詰まりや印刷の擦れ、機械への負担につながることがあります。紙が通った一回の結果だけで、安定して使えると判断しないでください。用紙側もインクジェット用、レーザー用などの指定を確認します。
手元の機種で適した紙を使えない場合は、無理に設定を変え続けず、印刷できる紙と補強を組み合わせる、既製台紙へラベルを付ける、外部へ印刷を依頼するなどの方法を検討します。機械の安全性を保ちながら目的に合う形を選びましょう。
印刷倍率と位置ずれを試し刷りで見る
試し刷りでは、実際のサイズで印刷されているかを測ります。用紙に合わせる設定で自動縮小されると、外寸だけでなく穴位置やロゴの余白も変わります。ソフトとプリンターの設定をそれぞれ確認してください。
位置がずれる場合は、テンプレートの商品番号、用紙サイズ、向き、給紙方向を順番に調べます。一度に複数の設定を変えると、何が原因だったか分からなくなります。試した条件と結果をメモし、再現できる設定を残します。
両面印刷では表裏の上下や左右が合っているかを確認します。裏面の文字が金具の位置へ重なったり、上下逆になったりしていないかを見ます。表面だけきれいに出たことをもって完成とせず、切り離して作品を付けた後まで検査しましょう。
印刷会社へ頼むなら加工の範囲を確認する
印刷会社へ依頼する場合は、紙、印刷色、サイズ、部数、カット、穴あけ、切り込みなど、どこまで含まれるかを確認します。名刺印刷を台紙に利用する方法でも、穴や切り込みが標準で付くとは限りません。
加工済みの専用商品なら固定用の穴や切り込みが用意されていることがありますが、その形が自分の作品へ合うかを確かめます。オリジナルプリント.jpの台紙案内のような提供元の仕様で、対象となる形状と加工内容を確認してください。
納期は印刷が終わる日と、手元に届いて組み立てられる日を分けて考えます。イベント前なら、検品と作品の取り付け、予備分の準備に使う日数も必要です。発注締切ぎりぎりの計画では、修正が生じたときに対応しにくくなります。
塗り足しと安全な文字位置を確認する
端まで背景色や写真を入れる場合、断裁のずれで白い紙が見えないよう、仕上がり線の外側へ絵柄を伸ばす塗り足しが必要です。一般的な考え方はプリントパックの印刷基礎でも説明されています。
必要な幅やデータ形式は、発注する商品のテンプレートを優先します。別の商品で見た数値をそのまま使うのではなく、仕上がり線、塗り足し線、文字を置く範囲を確認します。穴あけ加工がある場合は、その周囲にも重要な文字やコードを近づけすぎないようにします。
細い枠を紙の縁ぎりぎりに置くと、断裁のわずかなずれが目立つ場合があります。完全に左右同じ余白になることを前提にしたデザインより、多少のずれでも見え方が崩れにくい配置を検討します。入稿前に、実寸と加工線の両方を点検してください。
一枚の費用は失敗分と作業時間を含める
台紙の費用を比べるときは、紙代だけでなく、印刷、カット、穴あけ、送料、失敗分、保管する余りを含めて考えます。単価を下げるために大量に作っても、表記変更で使えなくなれば負担が残ります。
架空の例として、用紙と印刷に千二百円かかり、使える台紙が八十枚できたなら、材料・印刷分は一枚十五円です。さらにカットなどにかかった時間や道具の費用は、この数字に含まれていません。百枚印刷した数で割るより、実際に使える枚数で見ると比較しやすくなります。
※表は横にスクロールできます。
| 方法 | 確認したい費用 | 向きやすい場面 |
|---|---|---|
| 家庭印刷 | 紙・インク・失敗分・加工時間 | 小さな試作や表記の調整 |
| 印刷会社 | 印刷・加工・送料・最低部数 | 仕様が固まり同じものを継続使用 |
| 既製台紙+ラベル | 台紙・ラベル・貼付時間 | 共通台紙で作品情報だけ変える |
| 無地台紙+スタンプ | 台紙・インク・乾燥と押印時間 | 少ない情報を小ロットで付ける |
どの方法でも、実際の仕上がりと作業負担を確認してから広げます。価格だけでなく、次回も同じ品質で用意できるかを基準に選ぶと、販売を続ける際の管理がしやすくなります。
試作・梱包・販売後の改善を続ける

印刷した台紙を一枚ずつ検品する
完成した台紙は、文字の欠け、印刷の汚れ、かすれ、裁断のずれ、穴の位置を確認します。最初の数枚だけを見てすべて同じと考えず、作品を取り付ける工程でも気付けるようにします。特に連絡先や品番の誤りは、見た目だけでは見落としやすい点です。
紙を切った縁や穴の周囲に、毛羽立ちや裂けがないかも確認します。台紙の切り口が作品や袋へ引っ掛かる場合には、加工方法を見直します。小さな違いが販売時に問題になるかは、実際に取り付けた状態で判断してください。
問題があるものは通常品と分け、どの条件で発生したかをメモします。用紙を変えたときだけ擦れる、両面の一方だけずれるなどの傾向が分かれば、次の試作で直す点を絞れます。使えるものに混ぜて保管しないようにしましょう。
取り付けと取り外しを実際に試す
台紙へきれいに付いたら終わりではありません。購入者が袋から出し、台紙から作品を外し、使用するまでを試します。取り外すときに針や金具へ触れやすい、チェーンが絡まる、紙を破らないと外せないといった点がないかを確認します。
必要な説明がある場合は、難しい専門用語より短い順序で示します。無理に引っ張らないでほしい箇所を、作品と一緒に見て分かるように伝えます。説明が長く必要になるなら、固定構造そのものを簡単にできないかも検討してください。
一度外した作品を保管用に戻せるかも、想定する使い方によって確認します。必ず再利用できる必要はありませんが、保管用と案内しているなら、その用途で安定して使えるかが重要です。表示する役割と実際の使い勝手をそろえましょう。
梱包後のずれと圧迫を確認する
作品を付けた台紙を袋と箱へ収めたら、普段の持ち運びで傾いた場合にも大きくずれないかを確認します。危険な落下試験や過度な力を加える必要はありませんが、開封時に作品が重なっていないか、金具が袋へ当たっていないかを見ることはできます。
外側から圧力を受けたときの保護も、台紙だけに頼らないようにします。ポストピアスの針、繊細な立体作品、ガラスなどは、適した箱と内部の保護が必要になります。薄い紙へ固定しただけで配送中の安全を保証できるとは案内しないでください。
台紙を変えたときには、完成した荷物の厚みと重さを再確認します。折り返しや補強材を増やすと、以前の配送区分へ入らない場合があります。作品を守る設計と発送の条件を、一緒に更新することが大切です。
写真と売場の両方で見え方を比べる
台紙の見え方は、撮影の照明と売場の照明で変わります。光沢のある紙は反射し、濃い色の紙は作品の輪郭が埋もれることがあります。写真だけを見て決めず、実物を手に取った状態や、袋へ入れた状態でも比較します。
スマートフォンの商品写真では、小さな文字まで読めるとは限りません。必要な情報は作品ページの説明にも載せ、台紙の写真だけへ任せないようにします。逆に、実物の台紙へはオンラインの説明文を丸ごと詰め込む必要はありません。
変更案を比べるときは、同じ作品と同じ光で撮ると違いを見やすくなります。背景色だけ、ロゴ位置だけというように、変える点を絞って確認してください。気に入った案は、印刷条件も含めて記録しておくと再制作しやすくなります。
台紙の在庫と版を管理する
台紙を作り直したら、旧版と新版を分けます。ショップ名や連絡先、注意事項が変わっている場合、古いものが混ざると購入者へ誤った案内を渡すことになります。保管袋に版と作成日を記載すると、手に取る段階で確認できます。
品番別の台紙を使うなら、どの作品に対応するかを一覧にします。似た形の台紙でも、穴位置や素材表示が違う場合があります。作品と台紙をセットで保管する方法や、取り付け時に確認する方法を決めておきます。
長く使う予定でも、一度に過大な部数を作らないことが管理上の助けになります。販売数と変更の頻度を見ながら追加します。紙は湿気や圧力で反ることもあるため、保管環境と積み重ね方にも配慮し、使う前に状態を確認してください。
購入者の声を次の一枚へ反映する
販売後に、外しにくい、取り扱いが分からない、台紙が折れていたなどの声があれば、作品と梱包のどこが原因かを確認します。個々の声をそのまま全商品の問題と決めつけず、同じ条件で再現するかを見て改善します。
- 作品と金具の大きさに合う外寸になっている
- 紙の強度と印刷方法の対応を確かめた
- 穴・切り込み・固定材が作品を傷めない
- ショップ名と必要な情報が実寸で読める
- QRコードは余白を確保し印刷後に確認した
- 袋と箱へ入れても圧迫やずれがない
- 取り外し方が分かり、危険な金具が露出しない
- 台紙の版と対応作品が分かるよう保管している
台紙作りは、デザインの完成画面より、作品を取り付けた実物で判断することが大切です。支える、伝える、外しやすくするという役割を順番に確認し、少量の試作を通して整えると、自分の作品に合う台紙を無理なく作りやすくなります。


