退職届の書き方|縦書き・横書きの例文、封筒、退職願との違いまで解説

退職届の書き方を縦書き・横書き・封筒・退職願との違いまで整理した1200×630のアイキャッチ 転職・求人

退職届を書く場面では、「縦書きと横書きはどちらが正しい?」「退職願と何が違う?」「封筒には何を書く?」「会社指定の様式がないときはどうする?」と迷いやすいものです。

結論からいうと、退職届に法律上の全国共通フォーマットはありません。会社指定の様式がある場合はそれを優先し、指定がなければ、書類名・退職する意思・退職日・提出日・所属・氏名・宛名が分かる形で簡潔にまとめるのが実務上の基本です。

また、「退職願」「退職届」「辞表」は名称だけで法的効果が一律に決まるものではありません。実務では、退職願は会社に退職の承認を求める文書、退職届は決まった退職を届け出る文書、辞表は役員や公務員などで使われる文書として扱われることが多いですが、最終的には文面や提出の経緯が重要です。

この記事では、退職願・退職届・辞表の違い、退職届に書く基本項目、縦書き・横書きの例文、用紙・封筒、提出時期・渡し方、受け取ってもらえない場合まで順番に整理します。

最初に確認すること ポイント
会社指定様式 社内フォーマットがある場合は最優先
就業規則 退職申出の時期・提出先・手続きを確認
退職日 会社との合意・契約形態を踏まえて決める
書き方 縦書き・横書きのどちらでも可。社内指定を優先
封筒 白無地を使い、表に「退職届」、裏に所属・氏名

退職願・退職届・辞表の違い

退職願・退職届・辞表の違いを実写人物と比較メモで整理した1200×630の見出し画像

最初に、似た名称の3つを整理します。

退職願

実務上は、会社に「退職したいので承認してほしい」と申し出る文書として使われることが多いものです。会社が承諾する前であれば、状況によっては撤回の余地があると考えられる場面もあります。

退職届

退職する意思が固まった後に、その意思や退職日を会社へ届け出る文書として使われることが多いものです。会社と退職日を合意した後に提出する運用の会社もあります。

辞表

一般社員よりも、会社役員が役職を辞する場合や、公務員が辞職する場合などで使われることが多い名称です。一般の会社員が自己都合退職する場合は、通常「退職願」または「退職届」を使います。

名称より「文面と提出状況」が重要

退職願・退職届という表題だけで法的効果が自動的に決まるわけではありません。本人が一方的に辞職の意思を示したのか、会社との合意退職を求めたのかなど、文面や提出時のやり取りによって扱いが変わります。

退職日がまだ決まっていない段階でいきなり退職届を書くより、まず上司や人事へ相談し、会社の手続きを確認してから文書を作るほうがトラブルを避けやすくなります。

退職届に書く基本項目

退職届に書く日付・宛名・氏名・退職理由などの基本項目を示した1200×630の見出し画像

会社指定の様式がない場合は、少なくとも次の項目が分かるように書きます。

書類名

冒頭に「退職届」と記載します。退職願を提出する場合は「退職願」とします。

退職する意思

自己都合退職では、「このたび、一身上の都合により、○年○月○日をもって退職いたします。」のように、退職の意思を簡潔に書く形が一般的です。

会社との間で具体的な退職理由の記載を求められていない場合、細かな事情を長文で書く必要はありません。「一身上の都合により」とする例が広く使われています。

退職日

実際に雇用関係を終了する日を書きます。最終出勤日と退職日が同じとは限りません。有給休暇を消化してから退職する場合は、最終出勤日の後に退職日が来ることがあります。

退職前の有給休暇については、ARUKITOの退職前の有給消化は全部使える?でも整理しています。

提出日

退職届を会社へ提出する日を書きます。退職日とは別の日付です。書類上で日付が複数登場するため、混同しないようにします。

所属部署・氏名

自分の所属部署と氏名を書きます。社内ルールで社員番号等の記載が必要な場合は追加します。

宛名

会社の代表者名を宛名とする形が一般的です。実際の提出先が直属の上司や人事担当者であっても、書類の宛名は代表取締役社長など会社代表者とする運用が多くあります。

役職名・氏名は会社の正式表記を確認してください。会社指定の退職届様式がある場合は、その指示に従います。

押印は会社ルールを確認

押印を求めない会社も増えています。法令上、すべての退職届に印鑑が必須と決められているわけではありません。会社指定様式や就業規則、社内手続きに押印欄がある場合はその指示に従ってください。

退職届の縦書き・横書きの例文

退職届の縦書き・横書きの例文を実物書類イメージで比較した1200×630の見出し画像

退職届は縦書きでも横書きでも構いません。会社指定の様式や慣例がある場合はそれに合わせます。指定がなければ、自分が間違えにくく読みやすい形式で作成すれば問題ありません。

横書きの例文

退職届

このたび、一身上の都合により、2026年10月31日をもって退職いたします。

2026年9月30日

営業部
山田 太郎

株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 〇〇 〇〇 様

横書きの場合は、書類名を上部中央、本文、提出日、所属・氏名、宛名の順に配置すると整理しやすくなります。

縦書きの例文

退職届

私儀

このたび、一身上の都合により、令和八年十月三十一日をもって退職いたします。

令和八年九月三十日

営業部 山田 太郎

株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 〇〇 〇〇 様

縦書きでは「私儀」または「私事」と書き始める形式もあります。必ず入れなければ無効になる言葉ではありませんが、ビジネス文書の慣例として使われることがあります。

西暦・和暦はどちらでもよい

西暦・和暦のどちらを使っても構いません。ただし、1枚の退職届の中で表記を統一してください。

手書きとPC作成はどちらでもよい

会社から手書き指定がなければ、PCで作成した文書でも実務上受け付けられることがあります。ただし、社内ルールで自筆を求めている会社もあるため、事前に確認してください。

手書きの場合は黒のボールペンや万年筆を使い、消せるボールペンや鉛筆は避けるのが無難です。

退職届の用紙・封筒・折り方

退職届の白無地用紙・封筒・三つ折りを実写寄りに示した1200×630の見出し画像

退職届は内容だけでなく、用紙と封筒も整えて提出します。

用紙は白無地

A4またはB5の白無地用紙が使いやすいです。会社指定のサイズがある場合はその指示を優先してください。

封筒は白無地を選ぶ

郵便番号枠のない白い無地封筒が一般的です。A4用紙を三つ折りにするなら長形3号、B5用紙を三つ折りにするなら長形4号などが候補になります。

封筒の表面

中央に「退職届」と書きます。退職願を入れる場合は「退職願」とします。

封筒の裏面

左下などに所属部署と氏名を書きます。会社指定がある場合はその位置に従ってください。

三つ折りにする場合

退職届を三つ折りにして封筒へ入れる場合は、開いたときに書類上部から自然に読める向きになるように入れます。無理に何度も折らず、折り目を丁寧につけます。

封はする?

直属の上司へ手渡しする場合は、会社の慣例により封をしないケースもあります。一方、人事部へ提出する、社内便を使う、郵送するなどの場合は封をするのが適切です。迷う場合は人事担当へ確認してください。

退職届を提出する時期と渡し方

退職届を提出する時期と渡し方を手渡し場面と提出タイミングで示した1200×630の見出し画像

退職届を書く前に、就業規則の自己都合退職に関する条項を確認します。厚生労働省の労働条件通知書のモデルにも、「自己都合退職の手続」として何日前までに届け出るかを記載する欄があります。

就業規則の申出期限を確認

会社によって「退職希望日の1か月前まで」「30日前まで」などの社内ルールが定められています。引き継ぎや有給消化を考えると、余裕を持って相談することが重要です。

無期労働契約では法律上の原則もある

厚生労働省の解説では、契約期間の定めがない労働契約の場合、民法第627条により、労働者が退職の申し入れをしてから原則2週間が経過すると労働契約が終了すると説明されています。

ただし、実務では就業規則に沿って円滑に引き継ぐことが望ましいため、「2週間前なら必ず何の調整もなく辞められる」と考えるのではなく、できる限り早めに会社と調整してください。

有期労働契約は扱いが異なる

契約期間が定められている場合は、無期契約と同じルールではありません。厚生労働省は、有期労働契約では原則として契約期間満了前の退職には「やむを得ない事由」が必要と説明しています。

一方、1年を超える一定の有期契約では、契約開始から1年を経過した後は、労働基準法第137条により申し出て退職できる場合があります。自分の契約形態が分からない場合は、雇用契約書や労働条件通知書を確認してください。

まず直属の上司へ相談

一般的には、いきなり人事へ退職届を持ち込むより、まず直属の上司へ退職意思を伝え、その後社内手続きに沿って提出します。

封筒のまま手渡す

退職届は折った紙だけを裸で渡さず、封筒に入れて渡します。相手が読みやすい向きにして両手で渡すと丁寧です。

退職日までに必要な書類も確認

退職後は、源泉徴収票、離職票、退職証明書などが必要になることがあります。退職証明書については退職証明書とは?いつもらえる?で整理しています。

退職届を受け取ってもらえない場合・よくある疑問

退職届を受け取ってもらえない場合の確認点と相談対応を実写寄りに整理した1200×630の見出し画像

会社が退職届を受け取らない場合は?

無期労働契約で、退職の意思表示をしたにもかかわらず会社が受け取りを拒む場合でも、退職の意思表示そのものが必ず無効になるわけではありません。

厚生労働省の「確かめよう労働条件」では、無期労働契約の場合、会社が退職を認めないと言っても、労働者が退職の申し入れをすれば原則として2週間後に労働契約が終了すると説明しています。

ただし、証拠を残す必要があるケースや争いになっているケースでは、労働基準監督署、都道府県労働局の総合労働相談コーナー、弁護士などへ相談することも検討してください。

メールだけで退職を伝えてもよい?

会社の手続きによります。メールや社内システムで退職申請を受け付ける会社もあれば、紙の退職届を求める会社もあります。就業規則・人事手続きを確認してください。

退職理由は詳しく書く必要がある?

自己都合退職の退職届では、「一身上の都合により」とする例が一般的です。会社から具体的理由を聞かれる場合でも、退職届の本文に長い事情を書く必要があるとは限りません。

会社都合退職なのに「一身上の都合」と書いてよい?

実際の離職理由と異なる書き方は慎重に判断してください。雇用保険の離職理由は給付に影響する場合があります。厚生労働省は、離職票の離職理由が実際と異なる場合、ハローワークへ申し出て確認を受けられると案内しています。

退職届を出した後に撤回できる?

一方的な辞職の意思表示か、会社との合意退職の申込みかで扱いが異なります。退職願・退職届という表題だけで判断せず、提出した文面と会社の承諾状況を確認してください。撤回を希望する場合は早めに会社へ申し出ます。

退職届のコピーは取っておく?

提出前にコピーまたは写真を保存しておくと、退職日・提出日・記載内容を後から確認できます。トラブル防止のためにも、提出した書類の内容を手元に残しておくと安心です。

まとめ|退職届は必要項目を簡潔に、会社ルールを優先する

  • 退職願・退職届・辞表は実務上の使い分けがあるが、名称だけで法的効果が決まるわけではない
  • 会社指定様式がある場合は最優先する
  • 退職届には書類名・退職意思・退職日・提出日・所属・氏名・宛名を記載する
  • 退職理由は自己都合なら「一身上の都合により」とする例が一般的
  • 縦書き・横書きはどちらでもよい
  • 封筒は白無地を使い、表に「退職届」、裏に所属・氏名を書く
  • 無期契約と有期契約では退職のルールが異なる
  • 就業規則を確認し、余裕を持って上司・人事へ相談する
  • 提出した退職届のコピーを保存しておく

参考にした公的情報

※退職手続きは、雇用契約の種類、就業規則、会社との合意状況によって異なります。個別の紛争や法的判断が必要な場合は、労働局・労働基準監督署・弁護士等へ相談してください。

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